日経マネー6月号の中で対談記事が載ったのですが、
その中で、
「今の雰囲気はリーマンショックの前の2006年~2007年にちょっと似ています」
とつぶやいてしまったのが記事になってしまいました。
それを読まれた読者さんから、
「あれってどういうことですか?」と質問を頂いておりましたので
少しご説明いたします。
1)まず、株価の水準が似ています。
次のチャートは過去31年のトピックスの長期チャートです。
見慣れた日経平均の長期チャートとはやや違いますね。
このチャートをご覧になってお気づきになると思いますが、
1990年代のバブル崩壊以降、5回ほど大きな戻り局面があったのですが、
トピックスが1600~1800に差し掛かる度に、
大きく跳ね返されて、株価は叩き落されています。
で、2006年~2007年についてはいったん跳ね返されて
もう一回騰がろうとしたのにやっぱり跳ね返されて、
天井付近でフタコブが出来ていますね。
今回もそのフタコブ向かっているようにも思えるのです。
2)次に最近の小型株の過熱感ですね。
まだ当時ほどの「行くとこまで行ってしまった」感まではありませんが、
そこかしこに、バブルのにおいが漂ってきます。
その内、信用取引を駆使して小型株でとんでもない大儲けした
スター投資家が出てくると思いますよ。
「1年間で300万円を3億円にしました!!」みたいな…。
私の部署の女性社員が、
やたらボラティリテイの高いテーマ性重視の小型株投資ばかりしてるんですが、
聞くと結構勝ってるんですね・・・。
私もずいぶん以前にはそういう投資スタイルをとったこともありますので
とやかく言うつもりはないのですが、
どうしてもライブドアショック前の浮かれた状況を思い出してしまいます。
彼女の成功株の一つですが、
ある日、
「奥山さん、持ち株が2倍になってしまいました!!
どうしていいかわかりません!!」
という不思議な相談を受けました。
あくまで自己責任を前提で、
①2倍高という水準は上昇相場の一つの目安であること
②複数単位持っているのであれば、2倍の段階で半分だけ売って勝ちを確定させる作戦があること
(あとはどれだけ下がっても負けることはない。また、半分売ることで頭を冷やすという効果もある)
③材料を見る限り、そこまで大きなネタとは思えないこと
などをお話ししたところ、どうやら見事に天井付近で全部売り抜けたようです。
3)最後に金利が海外で上昇しはじめた一方で日本だけは金融緩和状態が続いている部分
がとても似ています。
当時は円キャリートレードといって、
金利の低い円で資金を調達して金利の高いドルやユーロで運用する投資がとても流行りました。
今回またそれが流行るかどうかはわかりませんが、
(その後のリーマンショックで痛い目にあった記憶が残っているので全くリスクヘッジせずに
ノー天気に円キャリートレードする投資家はそうはいないと思うが・・・。)
相場環境としては良く似てきたな・・・。
と感じるのです。
ただし、今のカネが余って余ってどうしようもない感じは、
むしろ1987年頃にとても似ている気がします。
ブラックマンデーで株の恐ろしさを知ったのもつかの間、
皆さんご存知の資産バブルの大相場がスタートした当時です。
(上のトピックスチャートの最初の頃)
個人も企業も機関投資家も
みんな余ってるカネをどこに投資したらいいのか?
探しあぐねている状況は、
2006~2007年よりもバブル前夜に似ている気がします。
ひょっとしたら、トピックス1600~1800の壁をあっさり突破し、
バブル相場に突入していくかもしれないですね。
まったく相反する二つの投資シナリオをもって、
年後半戦に挑もうと考えています。
本日も、参考になりましたら、
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