2018年のドル円相場を総復習!年間値幅が初の10円未満!?
最終更新日: 2018-12-15
1分でわかるこの記事の内容
- 2018年のドル円相場は過去最小の動き
- まずは2018年のドル円相場をおさらい!
- なぜ2018年はこんなにも値幅が小さいのか?
- 2000年以降のドル円年間値幅を確認!
- 日ごろの相場も大事だけど、たまには大きな軸で考えてみる
2018年のドル円相場は過去最小の動き
今週のロイターのニュースに興味深い記事がありました。
「2018年のドル円相場年間値幅が、過去最小の10円未満になる可能性が出てきた」というものです( ・`ω・´)キリッ
焦点:ドル円の年間値幅、初の10円未満か 個人は過去最大の逆張り奏功 | ロイター
12月15日現在、2018年の最安値は3月の104.56円です。最高値は、10月の114.55円とその差は9.99円になります。
比較的値動きが少ないと言われるドル円相場ですが、過去最少だった2015年の動き(年間値幅10.01円)を下回りそうな動きです。
なぜこのような状況となっているのか?2018年のドル円相場を振り返りながら確認してみましょう!
まずは2018年のドル円相場をおさらい!
2018年は、年始から大きく円高ドル安に動きましたね。
私の月間収支記事を見て頂ければ毎月の動きがわかります↓
今でこそ「ドルが強すぎる」と言われますが、年始は2017年からの流れも引き継ぎドルが全面安になり弱い状況が続いていました。
何かある度にドルが売られ、円が買われている状況でしたね。
そして米中貿易摩擦の始まり…
1月・2月は、米経済の不調から年内利上げの後退が観測されていました。
その影響で円高ドル安が進む中、今年最大のリスクオフ要因である「米中貿易摩擦」が勃発しましたね。
この問題は、現在も続いておりファーウェイCFO逮捕によってさらに状況は悪化していると言えるでしょう(´×ω×`)
そんな中、ドル円は3月に最安値を更新しました。
4月からは大きな円安ドル高トレンドに!
しかし4月になると、米中貿易摩擦の一時沈静化を背景にドル円相場は大きく円安ドル高に動き出しました。
日経平均株価・NYダウ平均株価も株高となったのが大きかったです。
また6月には、初めての米朝首脳会談も開催されリスクオフを払拭した形になりました。
米朝首脳会談後は静まり返っている北朝鮮
だんだんと株高・円安が進むにつれて、ドルインデックスも上昇しました。
米中貿易摩擦の影響にて一時的に円高に動く場面はありましたが、10月の年初来高値更新までほぼ一直線に上昇しましたね。
11月に米中間選挙があったことや、貿易摩擦・ブレグジットと現在は様々な要因が交錯してレンジ相場に突入しています。
このまま最安値・最高値どちらも更新せずに2018年が終わりそうですね。
なぜ2018年はこんなにも値幅が小さいのか?
年間値幅が少ない1つの要因として、今年ほど分かりやすく円高・円安が分かれている相場が珍しかったという点があります。
レンジが少ないドル円相場も珍しい
冒頭にも述べた通り、ドル円相場は比較的値動きが少ない通貨ペアです。その点FX初心者さんに優しかったり、急落・急騰が少ないことがリスクヘッジにも繋がっています。
値動きが少ないということは、レンジ相場になりやすいということです。ドル円相場に対して「年間通してレンジ相場がいる」という印象を持っている方も少なくないと思います。
しかしながら今年は、年始から円高ドル安へ。そして最安値を更新してからは円安ドル高へと大きく動いているのが分かります。
ではなぜレンジ相場にならなかったのか?
これはドルの成長が大きいと思います。年初来安値の前と後で一番違うのがドルの強さです。
ドルインデックスは、昨年末比で5.3%も上昇しています。年始のドルとは比べものにならないほど、ドルが強くなっています。
リスク回避として円が買われるのは変わりませんが、米経済の好調により積極的に行った利上げの効果。また米株や米国債などが買われる動きも後押しとなりました。
ドル円相場は、そんな強い2通貨が拮抗していますから必然的に動きが小さくなったと考えられます。
2000年以降のドル円年間値幅を確認!
では値動きが小さくなるとどうなるのでしょうか?
今年はあと半月ほどで終わります。気になるのは、2019年のドル円相場です。
過去最少値幅だった2015年の動きを知ると同時に、2000年以降の年間値幅を見てみましょう!
年 | 最安値 | 最高値 | 年間値幅 |
---|---|---|---|
2000年 | 101.31 | 115.05 | 13.74円 |
2001年 | 113.52 | 132.00 | 18.48円 |
2002年 | 115.34 | 131.80 | 16.46円 |
2003年 | 106.75 | 121.87 | 15.12円 |
2004年 | 101.81 | 114.88 | 13.07円 |
2005年 | 101.65 | 121.38 | 19.73円 |
2006年 | 108.95 | 119.87 | 10.92円 |
2007年 | 107.19 | 124.16 | 16.97円 |
2008年 | 87.11 | 112.22 | 25.11円 |
2009年 | 84.80 | 101.44 | 16.64円 |
2010年 | 80.22 | 94.98 | 14.76円 |
2011年 | 75.55 | 85.54 | 9.99円 |
2012年 | 76.00 | 86.79 | 10.79円 |
2013年 | 86.51 | 105.41 | 18.90円 |
2014年 | 100.74 | 121.84 | 11.10円 |
2015年 | 115.82 | 125.85 | 10.03円 |
2016年 | 99.08 | 121.68 | 22.60円 |
2017年 | 107.31 | 118.60 | 11.29円 |
過去17年間のドル円データは、Yahoo!JAPANファイナンスのデータを参照しました。
アメリカ ドル / 日本 円【USDJPY】:外国為替 - Yahoo!ファイナンス
計測している会社によって、若干のズレがあるのは許容範囲内です。(こちらのデータだと2011年が最小になっている)
過去、年間値幅が11円未満だった年をマークしてみました。
2000年以降だと、2006年・2011年・2012年・2015年の4回になります。
特に2011年を境に値幅が小さくなっているように見えますね。
2019年も年間値幅が小さくなる可能性が高い?
2015年に値幅が10円をきりそうになっていますが、2016年は今年を含む過去18年間で最も値幅が大きい22.60円を記録しています。
2016年と言えば…そうです!トランプ効果です。年末に大統領選を控え、大きく円安ドル高に動いたのが印象的な年でした。
そう考えると来年は、米選挙の年ではありませんから2015年の例よりも2011年・2012年の方がケースとして近くなります。
年間値幅11円をきった4回の中で、今年に一番近いケースは2011年のように感じます。
昨年はそれなりに値幅があること、円とドルの強さがしばらくは続きそうなことが理由です。
よって来年も値幅が小さくなる可能性が出てきました。
来年もドルが強いか?利上げ打ち切りで弱いドルに戻るか?
しかしながらドルがずっと強いという保証はありません。むしろ年末に向けてだんだんと米経済の鈍化が見えてきています。
- 米国債の逆イールド発生
- 利上げ観測示唆の後退
- FRBのハト派姿勢
- 米中貿易摩擦の再燃
などなど、来年以降ドルが弱くなってもおかしくない要因は沢山あります。
今年のように2通貨とも強い状態でなくなれば、一方向に動く場面が多くなり必然的に値幅が広がる可能性もあります。
過去のデータを見ると比較的110円を超える円安の方が値幅が大きくなり、円高の時の方が値幅が小さくも見えますからね。
日ごろの相場も大事だけど、たまには大きな軸で考えてみる
私も忘れがちなのですが、トレードに没頭していると「その日の値動き」「この後どうなるか」など足元や目先のことばかり見てしまいます。
もちろん利益を上げることも重要ですが、そこで損失が出るとどんどん泥沼にハマってしまいます。
そんな時は一度意識を外に向けて、大きな枠組みで相場を見てみましょう!
そして為替相場は、今に始まった訳ではなく過去何十年というデータが存在します。
現在の価格は、過去が作り出していると言っても過言ではありません。FXでは過去チャートからシュミレーションできるツールもありますからね。
ちょうど年末年始になりますので、一度月間や年間といったスパンでトレードを考えてみる機会を作ってみましょう(๑´ω`๑)♡
「あの頃の相場はこうだった」など、相場の思い出話がありましたらコメントくれるとうれしいです!こう見ると私もまだまだ若輩者だなぁと思いました(´×ω×`)
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コメント (4)
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1. 七国山病院
08年リーマンショックで豪ドル円が史上最安値を付けた時、NZドル円を45円で買いました。しかし当時とにかくお金が無くてたった数日で売ってしまいました。今程の軍資金があれば寝かして置けたのにとFXを始めたばかりの頃の甘酸っぱい思い出です。
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2. メイ
>七国山病院さん
コメントありがとうございます!
>甘酸っぱい思い出
この言葉に年季を感じました( ・`ω・´)キリッ
若気の至りというか昔の自分の失敗を振り返るとそういうことありますよね。私ももっと長く相場の世界で生き残り「あの頃は~」と言ってみたいです(✻´ν`✻) -
3. モブ
とても参考になります。
ボクは普段、4時間足日足を見てトレードしてますが、なかなか月足など広く見ていなかったです。ちょっといろんな見方を休みなどを利用して見てみたいと思います。 -
4. メイ
>モブさん
多角的な視点はやはりFXでは重要だと思います。
私はブログを書くことで過去の相場を見る機会がありますが、普通のトレーダーさんだと余りそういった場面がないと思うので週末にそういった時間を作るのがいいかもしれませんね(✻´ν`✻)