2018-12-30 09:39 | カテゴリ:勉強や投資情報
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あのCISさんの『一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学』を読みました。
父とか株やってるのにCISさんを知らなかったので、世の中にはCISさんを知らない投資家もいると思うので簡単に説明すると、個人投資家で230億稼いだ、恐らく日本で有名な個人投資家ベスト5に入る人で、BNFさんと並んで初期の個人投資家の株ブームを作った人物です。

まず題名でほっとしました。
あのCISさんの本に『~億勝つ』『~億稼ぐ』『必勝法』『投資術』『投資法』とかってインチキハウツー本確定の文言が入ってたらショックでしたが、そういう文言はありませんでしたし、投資哲学という通り、CISさんの考え方をまとめた内容となっていました。

ちなみに、CISさんはこの本、親しい知人に頼まれたから印税なしで書いているそうで、だからこそ自由に書けたそうです。

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第一章の内容です。
①上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる
→押し目買いをやってはいけない(買いたいならいつでも買えばいい)
→目先の「利確」に走れば大勝はなくなる(上がる株はさらに上がるのだから握力強め)
→ナンピンは絶対にしてはいけない(下がる株はさらに下がるのだから。また失敗や過ちを認める事(=損切)が大事)
→重要なのは損をしない事ではなく大きな損をしないこと=素早い損切(なので損失が大きくなるナンピンは論外)
→そして損切した株がまた上がりだした時にまた買えるか(損切で負けを認め、買い戻しで二度目の負けを認める苦痛を克服出来るか)
②重要なのは勝率ではなくトータルの損益
→勝率3割程度だが、時々負けの10倍・20倍の利益を出すのでトータルではプラス
③人が恐怖を感じている時はチャンスになる
→人は喜びより恐怖を大きく感じるので~~ショック等で大暴落している時は非合理的な行動を取る人が多く、逆に大きなチャンスとなる
④リスクヘッジは無駄
→リスクを取ってリターンを狙っているのにヘッジでリターンを少なくしては意味がない
→勝てない時はリスクを取って勝負をしなければいいだけ

②とかはこのブログでも何回も書いていて、塩漬けマンの勝率も3割ぐらいです。
①は確かに言われてみればその通りだなと思いました。そして、素早い損切やナンピンをしないは塩漬けマンもやっている事ですが、「そして損切した株がまた上がりだした時にまた買えるか」は塩漬けマンも素早い損切をする以上は大事な事だと思っていても、なかなか実践出来ない事です。
そして実践出来た銘柄はさらに下がり続けて、延々損切で、実践出来なかった銘柄に限ってガンガン上がるんですよね・・・

第二章は投資で利益を得られる仮説(他の人が考えてもいない事)を沢山立てて準備しておく事の重要性を実投資を基に説明されていました。
BNFさんを有名にしたみずほ証券によるジェイコム誤発注事件も書かれていました。
その時、CISさんもいち早く誤発注に気づいたそうですが、気づけたのは証券会社は発行株式数以上の株数の売買注文を出せるという事を知っていたから。
ジェイコムの発行株式数を調べて、出されている売り数より少ない事を確認して誤発注確定大チャンスを確信して20秒で買いまくって、最初のストップ高で全部売り抜けて6億円の利益を上げたそうです。
この後CISさんの取った行動が凄いなと思いました。
この利益を無かった事にされないために、得た利益で他の銘柄を売買(利益を無かったことにされたら、この売買も成立しなくなり、それは不可能)し、さらに自分の口座に出金手続きをしたそうです。
利益を上げるまでが投資ではなく、利益が完全に自分のもの(=自分の銀行口座に入る)までが投資だからです。
事実この巨額の誤発注事件の対応として、取引を無かったことに出来ないか検討されたと思いますが、さすがにそれは無理で、利益を出した証券会社は動義的理由から利益をみずほ証券に返還したそうです。
一方BNFさんの取った行動は真逆で、この日買ったジェイコム株を持ち越して、さらに高騰した時に全部売り抜けて20億円の利益だったそうです。
結果的にはBNFさんの方が正しかったですが、一歩間違えば利益0円になっていた可能性もあるわけで、CISさんの最悪の事態を想定してそれを防ぐための行動を素早く的確に行えたのは、日ごろからあらゆるパターンの仮説を立てて用意しているからであり、凄いなと思いました。
また面白かった話は、CISさんが大量に買ったソフトバンク株を前場に損切でひたすら売ったためにソフトバンク株が暴落(CISさんの取引はソフトバンクの出来高の3割に達していた)した時に、昼休みにアナリストが「アリババ株が軟調だったためにソフトバンクが売られた」と説明されており、勿論CISさんはアリババなんか関係なく売っていたのであり、全く的外れな事を言うメディアを信用してはいけないと書いてありました。
なので、本を読んでも相場では勝てないと書かれていました。
その話の中でラブライブのμ'sメンバー誕生日投資法の話も出て来て、「CISさんもμ'sメンバー誕生日投資法を知ってたんだ」って思いました。
↓こことかで昔ブログのネタにしています。
クボテック来たねっ!

第三章は株を始めて負けまくっていた時から、勝てるようになるまでの考え方の変遷等が実投資から書かれていました。
面白かったのは他の人が買うのを躊躇う高値でも喜んで買うという話で、
適正な価格なんて本質的には存在しない。買った値段より高く売れれば儲かるから。過去と比較して考えないほうがいい
と、本人は意識しているか分からないけど、さらっとファンダメンタルズもテクニカルも否定していた所。
後はこれまた本人が意識しているかは分からないですが、効率的市場仮説を概ね認めていました。
最初株を始めた頃はファンダメンタルズ投資のバリュー株(割安株)投資をして負けていたそうで、理由は割安かの判断が主観でしかなく、相場は全てを織り込んでいるので、誰もが取得出来る情報で分析しても意味がないという感じでした。
↓まさに株価は全てを織り込んでいる(=効率的価格)という効率的市場仮説の考え方
「株価こそが答えであり、世の中の総意として適正だとみなされている数字だと考えるほうが正しい」
その上でCISさんはどうやって効率的市場仮説を克服して勝てるようになったかというと、マーケットの事はマーケットで学べひたすら値動きだけを見るようにしたそうです。
要は、大口とかの資金の入っている株(特に年金や指示で機械的に買っているファンドとかの盲目の資金が入ってる銘柄がねらい目)を買って、逆に資金の逃げている銘柄は売る。
板を見て値動きを追っていれば、インサイダーにも気づけるし、仕手株にも気づけるそうです。
塩漬けマンが少ない資金でマネゲ銘柄で大きく勝てなくなった理由ってまさにこれで、ファンダメンタルズの知識が増えてから、仕手株に乗れなくなったし、ゴミ株を買えなくなってパフォーマンスが落ちました。
株価は全てを織り込んでいるのだからファンダメンタルズなんか見ても意味がなくて、ただ単に今上がっている、だから買うっていうシンプルな考え方をしないといけないと思いました。

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CISさんは短期トレーダーであり、社会貢献的な長期投資や配当優待には興味がありません。
その理由は、プロのアナリストでも長期的な株価予想は49%しか当たらない。
CISさん自身、明日の株価がどうなるかも分からない。
でも板を見ていたら今買われているという事は分かり、それはエッジ(優位性)があるという事。
だから今あるエッジ(優位性)を取りに行く。
ついつい塩漬けマンは「この銘柄はいい株か?」「持っていたらずっと上がるか?」とか考えてしまいますが、どうせ買っても一週間も持たないのだから、CISさんのように、今買われている株を今だけのエッジ(優位性)を取るために買えばいいのだと思いました。

このような感じで、この後の章はCISさんの生い立ちから株をやる上で役に立った経験とか色々書かれていました。
子供の頃に駄菓子屋でくじを当てる方法を見つけたり、中学からパチンコをして高校でパチプロの元締めをして大学で2000万円稼いでいた話とか、投資会社を作って失敗した話とか、トレードツールを開発して失敗した話とか、実投資の成功談や失敗談も交えて、仮想通貨や先物オプションについても書かれていました。
そこで思ったのは、CISさんレベルになっても相当勉強しているなという事と何でもやっているなって事です。
塩漬けマンなんて足元にも及ばないぐらい努力・勉強をしていて、仮説を立てて実践して稼いでいる・・・塩漬けマンも頑張ろうと思いました。

非常に読みやすい本で、物語的に流し読みすれば1日で読めますが、読む人の投資理解度によって、得られる物に大きな差が出ると思います。
と言っても株以外の話題も多く、気負って読むような本ではないですが。

本著の中で「本を読んでも相場で勝てない」と書いてありましたし、事実相場で勝てるようになるかは本人の努力次第ですが、一番大事なのは心構えであり、テクニカルやファンダメンタルズをしない投機をする人に取っては、一番役に立つ投資本かもしれません。

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