インターネットの発達で、映画やドラマ、音楽はダウンロードして視聴するのが当たり前になりました。写真もフィルムはほとんど姿を消し、スマホやPCでのやり取りがほとんどです。利用する側には手軽で便利、しかも低価格で入手できるといういいこと尽くめでです。利用するサービスによってては、ほとんどタダ同然です。
長い時間手間暇をかけて作品を手がけたアーティストは、非常に困ったことになっています。作品で得られるはずの収入が大幅に減ってしまったのです。インターネットの発達により、様々なデータのやりとりが簡単になったのと引き換えに、違法なダウンロードも後を絶ちません。
アーティストに適正な著作権料が払わなければ、創作活動が続けられなくなるばかりでなく、新しい才能を育てる環境がなくなってしまいます。Facebookやブログなどには無断使用されている画像がたくさんあり、著作権が曖昧になっています。
ブロックチェーンは著作権を守るためにも活用できると期待されています。すでにアメリカの企業がBlockcaiというサービスを提供しています。アーティストは自分の作品をドラッグ&ドロップするだけで作品を簡単に登録でき、登録証も発行されます。
誰かが無断使用しようとすると、即座にその人物に証明書のコピーが発行されるしくみになっているそうです。この会社はツイートするだけで著作権を主張できるサービスも提供しています。登録したい画像を#blockiのハッシュタグをつけてツイートすれば、登録が完了するようになっています。
ブロックチェーンは、一度登録すれば改ざんは非常に難しくなるので、アーティストの強い見方になってくれそうですね。
利用する場合は事前にBlockiにアカウントを持っておく必要がありますが、なくてもサインアップで利用できるようになっています。インターネットによく似た画像がないかも自動的に検索してくれるので、著作権違反を事前に回避することも可能です。
将来的には、インターネット上のファイルすべての著作権の証明を目指しているようです。アメリカには、ほかにもBindedという起業が著作権を守るサービスを提供しています。この会社には日本人の投資家や企業家が資金を提供しています。
海外に比べると、日本はここでも遅れをとっているようです。しかし、日本にも少しづつ動きが出始めています。日本情報処理学会でタイムスタンプを使って著作権を守るという内容の論文が発表されています。ちなみに、対象になっているのは折り紙の折り方の著作権です。
タイムスタンプというのはビットコインに使われている技術で、情報がいつ精製されたのかを証明するもので、ブロックチェーンと一緒に埋め込まれます。ビットコインではこの技術はさほど重要視されていませんでしたが、著作権の証明、発明品や論文の発表順序が非常に重要になってきます。
タイムスタンプを利用していつ発表したものかを証明できれば、自分の作品であることを証明するのも容易ですし、盗作をふせぐのにも有効です。アーティストが安心して創作活動ができる環境が早く整うといいですね。