いきなり無職!

株の損失725万円を取り返そうと奮闘する無計画セミリタイア無職人間の日常

本屋にはクレーマーが少ないなんて大きな誤解です~書店クレーム・トラブル集~

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こんばんは、ふくろう主です。

 

先日ちょっと気になるツィートを目にしました。

 

「本屋はクレーマーが少ないという話を聞いた」

「本屋に来るお客さんは本を読んでいるので客層が良いから」

 

と言った内容でした。うーん、確かにイメージだけで語ると読書をする方というのは物静かで理性的、教養がある、と言った感覚があるかも知れません。

が、実際には非常に偏屈だったり、自分の言う事が常に正しいと思い込んでいたり、少しでも自分の思い通りにならない事があると我慢ができなかったり・・割とろくでもないお客様が多いです。

また、書店には普段読書をする人しか来ないかと言うと、決してそういう訳でもありません。ジャンルとしては競馬、パチンコの雑誌なんかもありますし、暴〇族のバイクを特集している雑誌みたいなのもあります。

こうした普段は書店を利用しないんだけれども、特定の何かを探しに来た人が、書店ならではのルールに(やたらと取り寄せに時間がかかる、入荷日が特定できないなど)憤慨するというケースも少なくありません。

殊更不安を煽る訳ではないですが、書店はストレス少ない環境で働けて良いなぁ、みたいな誤解が蔓延してもアレなんで、これまで出会ったクレーマー、トラブルの中でも印象深いものをご紹介します。

 

俺の本に触るな!

本の外観にとにかくこだわるお客様というのが一定数はいらっしゃいます。みなさんも書店の店頭で何冊も同じ本を見比べて、角が折れたりしてないか、汚れはついていないか、表紙に傷がついていないか・・。そんな風にチェックをしている人をご覧になった経験はないでしょうか?

ある程度キレイな本を手元に置いておきたいという心理は良くわかります。しかし時にはそれが行き過ぎてしまう人もいます。

 

ある日の仕事中、レジ方面からもの凄い怒鳴り声が。かなりのエキサイトっぷりに、またバイトくん何をやらかしたのか、と見に行きますと・・

「申し訳ございません、何か不手際がございましたか?」

「このバイトが俺の本に爪を立ててたんや!」

とご立腹。実際には、レジ打ちをしている時にカウンターに置いた本に手をちょっと添えているだけだったようですが、お客様の方からは引っ掻いているように見えたのかも知れません。

見たところ特に傷もついてないようでしたが、こういう場合、「特に問題ないようですが」などと言ってしまうより、相手に選択肢を与えた方がうまくいく場合が多いのでひとまず店頭の別の本と取替えを提案してみます。

「店頭で一番キレイなヤツ選んできたんやけど」

と、ご不満な様子ながら渋々その提案を受け入れてくれました。が、レジカウンターから全く動く様子がない。何となくこの後の事態を想定していたので売り場に誘導したかったんですが、仕方がないのでこちらで本をカウンターまで運びます。

すると、案の定その場で吟味が始まりました。もう一つのカウンターに行列が出来ても何処吹く風で、30冊ぐらいの本を一冊一冊嘗め回すように観察。一度カウンターから離れて選んでいただけないかと提案したものの無視され、約30分はレジを占領していたでしょうか。

ようやくお気に入りの本を選んで、いざ会計、という段になった時

俺の本に触るな!

と叫んでカウンターに乗り上げるようにして自分でバーコードをレジに通し、袋に入れるのもセルフでやってしまいました。

このお客様は、怒りながらもこの時の対応が気に入ってしまったのか、大変残念な事に常連になってしまい、店で雑誌の予約などをするようになってしまいました。その際に雑誌は寝かせて置いておく事、寝かせた雑誌の上に物を置かない事、件のバイトや爪の長い店員には触らせない事、自分が店に来ている時はレジにこのバイトを入れない事、などなど様々な要求を突きつけてくるようになってしまいました。 

お前の仕事はお客様の元へ本を届けること

当然ながら書店のスペースというのは限られていて、どんな本でも潤沢に揃えてある訳ではありません。また、全国に津々浦々に本が配られていて、あの店には在庫があるがこの店では在庫がない、という事が当然起こってきます。

そこで取り寄せ、という手段がある訳なんですが、書店は流通の都合上入荷日をハッキリさせられない場合が多いです。特に、取次に在庫がなく出版社へ注文したものなどは時間もかかる上、行方不明になるケースもあります。この日注文した商品が届かないんですけど? と取次に問い合わせても、「ちょっと行方がわからなくなりました、再注文します!」みたな返事が来る事もあります。(そして次の日入荷してきたりして、二週間後ぐらいにまたもういらない同じ本が届くとか)

近年は流通も改善して、お金はかかるけれども、かなり早く届けてくれるサービスなんかも無くはないんですが、それも取次に在庫あっての事。出版社への注文はとにかく時間がかかります。

ある日あらわれたお客様も、注文した本が何日に入ってくるかを確実に教えろ、と非常に執拗でした。前述の様な事情を説明しても、とにかくいつ入るかハッキリさせろ、の一点張り。我々も確実な事が言えないのは心苦しいんですが、こういう所で突っかかって来る人に余計な事を言えば後々トラブルになるのは必定。

仕方が無いので書店としては忸怩たる思いで「確実に手に入る日が知りたいのであれば、今アマゾンに在庫があるようですよ」と提案してみました。

するとお客様「お前の仕事はお客様の元へ本を届けることやろが! アマゾンに在庫があるならお前がアマゾンから買ってこい!」と。

いや、申し訳ありませんがそれは出来かねます、とお断りしたら、「〇〇書店には在庫があったんや! お前らの店はロクに仕入れも出来ん店と言う事やな!」と捨て台詞。

え・・なんでその〇〇書店で買わないの・・?

本がバラバラになっちゃったんだけど

ある日店に一本の電話がかかってきました。相手は、まあ普通のおばさんという感じです。話し方も丁寧で、いわゆる激しいクレームではなかったんですが、実はちょっと聞いて欲しい事がありまして、と柔らかい前置きから話に入ります。

当然ながら、こういうお客様であれば、こちらも何とかトラブルを解消してあげたいという姿勢になります。よくよく話を聞いてみると、料理の本を店で買ったんだけど、本のページが取れて、バラバラになってしまった、と。

ああ、そうでしたか、申し訳ございません。交換致しますので、タイトルと出版社を教えて頂けますか? と伺います。

こうした場合、大抵は店頭に同じアイテムがあれば、交換。無ければ出版社へ注文という形になります。店にも寄りますが、不良品であれば、返金対応を取るところもあるでしょう。

うちもひとまず対象商品の在庫を調べてみたのですが、モノはあるんですが、開店から一度も売れた履歴がありません。

・・んー、これは何処か別の書店で買ったのを勘違いしているケースかな? と思い何日の何時ごろ、何処の店でお買い上げになったか、その時のレシートなどはあるか、などを聞いてみますと・・

「うーん、ごめんなさい、ちょっと忘れちゃったわ~。でも、そちらの店で買ったのは間違いないの。私そこしか行かないから。いつも大事に使ってたんだけど、見ながら料理するから、凄く広げちゃうでしょう? だからバラバラになっちゃったんだと思うんだけど」

と、何だか明言を避ける様子。仕方がないので、実はうちの店では一度も売れた事がない商品だと伝えると・・

「いや、でも買ったのは間違いないのよ。たぶん10年ぐらい前だと思うけど・・

 

え!? 10年使った本を交換してくれと!?

 

しかも、その当時いた店のオープンは6年程前。確かに同じ場所に本屋があったんですが撤退して、そのまま後釜に我々が来たというパターン。案の定、お店の名前も勘違いされてました。ウチ全く関係ないんですけど・・

「でも、このバラバラになった本どうしたらいいの? 買ったのは間違いないのよ」

と一向に引く気配がありません。仕方ないので、製本のトラブルは出版社へ連絡して下さい、と丸投げしてしまいました。

おたくの書店を訴えたいんですが・・

あなたの店を訴える・・訴訟にまで発展するようなクレームというのはまずないですが一度だけそうセリフを言われた事があります。

ある日かかってきた一本の電話。何となく内気そうな青年という感じで、モゴモゴ喋るのでうまく聞き取れないんですが、どうも静かに怒ってらっしゃる様子。

よくよく聞くと、そちらで買った司法試験の参考書の記述が違うのではないか、というご指摘でした。

「申し訳ございません。専門的な本にもなりますし、中身の記述に関しては、なかなか一冊一冊精査もできませんので・・」

と、これまた出版社に丸投げするしかないお問い合わせ。そもそも中身について書店に聞いてもらっても困るんですけど・・と思ったのですが、全くこちらの話は通じず、ずっと静かに一時間、二時間と恨み言を聞かされてしまいます。

仕方ないのでひとまず、お客様のご指摘について出版社に確認してみますね、と言って電話を切りました。

実際、その本の記述は一部間違っていたそうで、すでに訂正の紙を差し込んで(中小出版社の専門書は刷り直すのも大変なので、そういうケースが多い)販売しているとのお答えでした。

実はこれこれこういうお客様がいらして・・と出版社と話をしていると、「ああ、その人ならうちにも電話をかけてきました」と言っています。やはり内容に対して、ぶつぶつと文句を言い続けていたそうです。

 

クレーマーに対しては、まず相手方の要求をハッキリさせる事が一つのポイントになります。それが実現可能な要求であれば解決への道筋が探れます。しかし件のお客様は何が要求なのか、全くわからないのです。

例えば、別の参考書への交換、あるいは返金などが希望という訳でもないようです。

「お客様のご希望の対応があれば検討させて頂きますが」

と話を振ると

「できれば、おたくの書店と出版社を訴えたいんですけど、可能ですかね?

 

知らんがなw

 

受けて立つ! とでも言って欲しかったんでしょうか。ちなみに、記述が間違っていた事で司法試験に落ちたのかと思っていたら、受験はまだなんだとか。

電話してないで勉強した方がいいのでは・・。

 

書店で起きる確率の非常に高い犯罪とは 

さて、という訳で特に印象深いクレームなどを挙げてみた訳ですが、ここからはちょっと話題を変えまして・・

みなさん、書店で起きる犯罪というと何が思い浮かびますでしょうか。やはり業界全体が頭を悩ませているのが、万引き(窃盗)です。正直これのおかげでつぶれた書店も数知れず。特に利益率が低い業界ですから、一冊盗まれると、五冊は同じ本を売らないと利益はマイナスというのが現状です。

こうした単純な利益の損失に加え、棚から本を持っていかれた場合、売れ筋の本がずっと棚に無い状態になるのです。現在はPOSで本を管理している店がほとんどですから棚から売上が上がってはじめて新たに本を発注する形になると思います。そこで棚の本を盗まれると、在庫があれば売れる本のはずなのに、新たな補充が発注されずにそのままになってしまうという販売機会の損失が起こります。

書店が少ない売上を必死にかき集めている昨今ですから、こうしたダメージは地味に響いてきます。

 

まぁ、これは誰しもが頭に思い浮かぶと思います。しかし、実はもう一つ非常に発生率の高い犯罪があるのです。

 

それは・・ズバリ盗撮なんです。

 

みなさん書店に行ったらどんな風に買い物されますでしょうか? 大抵は気に入った本があれば、棚の前を向いて長時間立ち読みされるんではないでしょうか? その時、意識は完全に本に向いていると思います。だから、全く背後がお留守なんですよね。

現役時代は何人も盗撮犯を捕まえましたが、撮られていた事に気づいていた人は一人もいませんでした。昔はストラップの長いカバンをタスキがけにしてないヤツが女性の背後を何度も往復していると要注意だったりしたんですが、最近はスマホで動画も撮影できるので、なかなか格好だけで判別するのは難しくなってきました。

みなさんお気をつけくださいね。

 

他、クレーマーのお話↓

www.owlowl72.com

 

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