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投資信託・ETF

ファンドオブザイヤー2020銘柄の実質コストを徹底比較。低コストなインデックスファンドはeMAXIS Slimシリーズ

この記事ではこのような疑問にお答えします。

  • 「投信でおすすめの銘柄を知りたい」
  • 「コストが安くて評判のよい投信を探すにはどうしたらよいだろう?」
投信選びでとても参考になるランキングとして「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー(Fund of the Year)」があります。このランキングには信託報酬が安くて低コストな優良ファンドが数多く入賞していますので、投信選びにおすすめです。

しかし、実は投信のコストには信託報酬以外に隠れたコスト(以下、隠れコスト)があります。

隠れコストは事前に明示されるものではなく、運用報告書の中で事後報告されるのみであるため、あまり知られていません。信託報酬に比べて隠れコストのほうが十分小さくて無視できる場合もありますが、運用開始から間もない投信や純資産総額が小さい投信などでは意外と大きい場合もありますので、注意が必要です。

長期投資ではできるだけコストが安い銘柄を選ぶことが大事です。投信を選ぶ際は信託報酬だけでなく、実質コスト(=信託報酬+隠れコスト)にも着目することをおすすめします。

本記事ではファンドオブザイヤーで上位に選ばれた銘柄を実質コストで比較した結果について紹介します。

さらにコストを安くしたいなら、投信の購入・保有でポイントが貯まるネット証券を活用すると良いです。

特に、楽天証券 はポイントを貯めやすいのでおすすめです(私は投信関連だけで年間6,000ポイント以上もらっています)。

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「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2020」の上位銘柄の多くはインデックスファンド

2019年の投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤーの上位10銘柄は以下です。

FOY順位ファンド名種類信託報酬(税込)
1位eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)インデックス型0.114%
2位ニッセイ外国株式インデックスファンドインデックス型0.102%
3位Vanguard Total World Stock ETF(VT)インデックス型(米国ETF)0.080%
4位セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドインデックス型0.590%
5位ひふみ投信アクティブ型1.078%
6位eMAXISSlimバランス(8資産均等型)インデックス型0.154%
7位eMAXISSlim先進国株式インデックスファンドインデックス型0.102%
8位eMAXISSlim全世界株式(除く日本)インデックス型0.114%
9位eMAXISSlim米国株式インデックスファンド(S&P500)インデックス型0.097%
10位農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねアクティブ型0.990%

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020」

比較的コストが高くなりがちな海外株式ファンドやバランス型ファンドが多いのにも関わらず、10ファンド中7ファンドの信託報酬が0.1~0.2%台です。

投信ブロガーに人気なのは低コストなインデックスファンドであることがよくわかります。

とはいえ、2020年は前年までと違って、アクティブファンドが2つランクインしました(「ひふみ投信」と「おおぶね」)。2020年はコロナショック後の急回復局面で、アクティブファンドの成績が比較的良かったという理由がありそうです。

2021年の成績はどうなるでしょうか?

上位10銘柄のインデックスファンドなどを実質コストで比較

「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2020」の上位10銘柄の実質コストを各ファンドの運用報告書から以下のように計算しました。

実質コスト = 信託報酬 + 隠れコスト(売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用)

隠れコストは最新の運用報告書の実績値をもとに、年率に換算して求めました。一方、信託報酬は運用報告書の時点より引き下げられている投資信託もあるため、2019年7月時点の値を掲載しています。

また、運用期間が短くてまだ運用報告書が作成されていないファンドについては「データなし」としています。

投資信託の実質コストの計算方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
投資信託の実質コストを徹底比較。真の低コストファンドをランキング形式で紹介

実質コストが安い銘柄から順に並べると、下表のようになりました。

実質コストの順位FOY順位ファンド名種類信託報酬(税込)実質コスト(税込)
1位3位Vanguard Total World Stock ETF(VT)インデックス型(米国ETF)0.080%0.080%
2位9位eMAXISSlim米国株式インデックスファンド(S&P500)インデックス型0.097%0.140%
3位2位ニッセイ外国株式インデックスファンドインデックス型0.102%0.162%
4位7位eMAXISSlim先進国株式インデックスファンドインデックス型0.102%0.174%
5位1位eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)インデックス型0.114%0.204%
6位8位eMAXISSlim全世界株式(除く日本)インデックス型0.114%0.208%
7位6位eMAXISSlimバランス(8資産均等型)インデックス型0.154%0.218%
8位4位セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドインデックス型0.590%0.591%
9位10位農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶねアクティブ型0.990%1.047%
10位5位ひふみ投信アクティブ型1.078%1.258%

(FOY順位とは「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー2020」の順位のこと)

実質コストの安さ1位はVanguard Total World Stock ETF(VT)

実質コストの安さ1位は米国上場ETF(上場投資信託)のVanguard Total World Stock ETF(VT)であり、実質コストは0.08%です。VTが低コストな理由は、純資産総額が約170億米ドル(約18兆円)もある超巨大ファンドであり、効率的に運用できるからです。

ただし、VTは米国ETFであるため、0.495%(税込)の買付手数料がかかります(SBI証券・マネックス証券・楽天証券の場合)。そのため、保有期間が短い場合は逆に高コストになってしまうので注意が必要です。

SBI証券楽天証券 マネックス証券 では、VTなど一部の米国ETFの買付手数料が無料になっています(ただし、今後変更になる可能性あり)。売却しない限り、取引手数料はかかりませんので、お得です。

一方、他の9つの投資信託は買付手数料が無料であるうえ、SBI証券・マネックス証券・楽天証券であれば100円から積立投資可能なため、少額からの投資に適しています。最初は日本の投資信託で始めるとよいです。

実質コストの安さ2位はeMAXIS Slimの米国株式、3位はニッセイ先進国株式ファンド

VTに次いで実質コストが安いのはeMXIS Slimの米国株式、ニッセイ先進国株式インデックスファンドです。これら2ファンドは信託報酬が安いだけでなく、隠れコストも安いことが特徴です。

わずか0.1%台の実質コストで米国株式、先進国株式に分散投資できますから、かなり良心的なファンドです。

eMAXIS Slim、ニッセイシリーズはほかにも多くの種類のインデックスファンドがあり、業界最低水準の運用コストを競っています。中でも、eMAXIS Slimシリーズは低コストで評判が高く、本ランキングの上位7銘柄のうち5つを占めています。

低コストなインデックスファンドで運用したい場合、実質コストが安いeMAXIS Slim、またはニッセイシリーズがおすすめです。

運用成績に期待するならアクティブファンドを選ぶのもよい

2020年は2つのアクティブファンド(「ひふみ投信」と「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」)がランクインしました。

これら2ファンドはアクティブファンドなので、比較的コストが高いです。しかし、直近6ヶ月~1年のリターンが良かったため、人気が上昇したと思われます(以下のリターンは、楽天証券より引用)。

ひふみ投信のリターン(20210118)

ひふみ投信のリターン(2021/1/18)

おおぶねのリターン(20210118)

おおぶねのリターン(2021/1/18)

eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)のリターン(20210118)

eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)のリターン(2021/1/18)

2020年はコロナショック後の銘柄格差が激しかったので、アクティブファンドが活躍しやすい年でした。このように、アクティブファンドの中にはコストを大きく上回るリターンを出すものもあります。

運用成績に期待するなら、アクティブファンドで投資してみるのも良いと思います。

路井 なびお
路井 なびお

アクティブファンドを選ぶときは、過去の運用実績だけでなく、運用方針や組み入れ銘柄などをよく見て、納得できるものを選ぶことが大事です。

さらにコストを安くしたいなら、ネット証券のポイントプログラムを活用するとよい

投信のコストをさらに安くしたいなら、ネット証券が独自に提供しているポイントプログラムを活用すると良いです。

投信の保有金額に対して、年率で最大0.1%のポイントがもらえる

たとえば、大手ネット証券3社(楽天証券、SBI証券、マネックス証券)では、上記投信の保有金額に対して以下の割合(年率)でポイントをもらえます。

ファンド名楽天証券SBI証券マネックス証券
Vanguard Total World Stock ETF(VT)ポイント付与なし*1ポイント付与なし*1ポイント付与なし*1
eMAXISSlim米国株式インデックスファンド(S&P500)0.048%0.037%0.030%
ニッセイ外国株式インデックスファンド0.048%0.042%0.030%
eMAXISSlim先進国株式インデックスファンド0.048%0.040%0.030%
eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)0.048%0.046%0.030%
eMAXISSlim全世界株式(除く日本)0.048%0.046%0.030%
eMAXISSlimバランス(8資産均等型)0.048%0.050%0.030%
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド通常の取扱なし*2取扱なし取扱なし
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね0.048%0.100%取扱なし
ひふみプラス(ひふみ投信と中身が同じ)0.048%0.100%0.08%

※1:米国ETFのため、ポイント付与なし
※2:IFAコース、iDeCoのみ購入可能

大まかにいうと、もともと低コストなインデックスファンドの場合、ポイント付与率が高いのは楽天証券 SBI証券です(楽天証券のほうが少し高め)

一方、もともとコストが高めなアクティブファンドの場合、SBI証券のポイント付与率が高いです。

路井 なびお
路井 なびお

付与されるポイントは、楽天ポイント(楽天証券)、Tポイント(SBI証券)、マネックスポイント(マネックス証券)です。買い物や投信の購入に使ったり、他のポイントに交換したりできます。

楽天証券なら、投信の購入で1%ポイントをもらえる

さらに、楽天証券で楽天カード決済により投信を購入すると、楽天ポイントを1%もらえます

単に購入するだけで1%の利益が出る(ポイントがつく)というのは、かなり割のいい投資です。

投資信託で投資したいなら、楽天証券 がおすすめです(私は楽天証券でつみたてNISAを行っています)。

まとめ

本記事ではファンドオブザイヤーで上位に選ばれた銘柄を実質コストで比較した結果について紹介しました。

投信で長期投資する場合はできるだけコストが安いインデックスファンドがおすすめです。特に信託報酬だけでなく、隠れコスト(売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用)も含めた実質コストで比較するとよいです。

「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー」をみれば信託報酬だけでなく、実質コストが安い銘柄が多くありますので、投信選びの参考になります。中でも日本の投資信託であれば少額(100円)から投資可能ですので、初心者でも投資しやすいです。

投資信託で長期投資したいと思う方は「投信ブロガーが選ぶファンドオブザイヤー」を参考にして、まずは少額から投資を始めてみることをおすすめします。

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なぜなら、楽天証券で投資信託を購入・保有すると、楽天スーパーポイントを貯められるだけでなく、ポイントで投資信託を購入できるからです。

ポイントを活用することで簡単に利回りを向上できますので、お得です。

路井なびお

自称「優良銘柄選びのソムリエ」。長期投資ブログ「ロイナビ(Long term investment Navi)」の管理人。

長期・積立・分散投資を基本として、インデックス投資と個別株(日米株)投資を実践しています。

優良なバリュー株や低コストなインデックス投信について調査・分析するほか、私が用いている分析方法や便利なツールなどについても紹介しています。

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