移動時にはよく使われる鉄道車両。

日本で鉄道が初めて開通したのが1872年。

丁度私が生まれてから7年後の事です。

 

 

今では国内の至る所で見られる鉄道車両。

今回はその鉄道車両に使われている技術についてお話します。

 

 

列車が走行する際には、
車輪とレール間の転がり摩擦抵抗、
車輪・駆動装置の摩擦抵抗、
車体の空気抵抗などが主にあります。

 

走行時の抵抗は一般的に以下の式が利用されています。

電気機関車:$R_r=(16.9+0.082V)M+0.362V^{ 2 }$
電車:$R_r=(16.2+0.242V)M_d+(7.65+0.0275V)M_t+{0.275+0.076(n-1)}V^{ 2 }$
内燃動車:$R_r=(24.5+0.182V)M+{0.264+0.077V(n-1)}V^{ 2 }$
700系 16両編成(明かり区間):$R_r=g{(1.356+0.001363V)W+0.08849V^{ 2 }}$

$R_r$:走行抵抗(N) 、V:車両速度(km/h)、M:車両質量(t)、$M_d$:モータ付き電車質量(t)、$M_t$:モータなし電車質量(t)、n:編成両数 g=9.80665:重力加速度

 

つまり、鉄道車両の走行抵抗は、質量に比例し、速度に2乗に比例し大きくなります。

 

鉄道車両では十分な速度を得る駆動方式として、誘導電動機を用いたインバータ駆動方式を採用しています。
誘導電動機の電気構造は変圧器と同様に、一次巻線、二次巻線を有し二次巻線は短絡されています。

インバーターで作られた三相交流電力は一次巻線(固定子)のみに供給され、固定子には回転磁界が発生します。
二次巻線(回転子)には誘導作用によって間接的に電圧、電流、磁極が発生し、
固定子の回転磁界でこの磁極が引っ張られるため回転子は回転します。

 

固定回転磁界速度よりも回転子の回転速度が遅くなる、その差を滑りあるは滑り周波数と呼びます。
滑り周波数と電動機トルクの関係は滑りが大きくなるとトルクも大きくなります。

 

このように誘電機が自らトルクを発生して回転すると誘導電動機に、逆滑りがマイナス側、
つまり回転子に機械力を加えて同期速度以上に回転させると、この機械力を吸収して電力を発生し、
電源へ送り返す誘導発電機となりブレーキとして働きます。

 

滑りのあることは、複数の電動機を1台のインバータで制御する事を可能にしています。
誘導電動機特性は回転子のコイル抵抗で変化させることができ、複数の電動機を制御する場合には
速度変化に対するトルクの変化を少なめにして、動軸間のトルクアンバランスを抑えています。

 

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