2019-09-14 09:16 | カテゴリ:雑談
ZOZO前澤社長が持ち株をヤフーに売却して経営を離れる事が話題となっています。

ヤフー株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する意見表明及び同社との資本業務提携契約締結に関するお知らせ

株式を90%近くも担保に銀行からお金を借りていたのに、株価が4600円から半分以下になって借金状態になってヤバイんじゃないかっていうのは今年前半から言われていました。
ZOZO、資金難示す材料も…前澤社長所有分の同社株式9割が銀行担保に
※要は持ち株を担保に借金をして美術品を買ったり宇宙旅行の予約をしていて、金策に困っていたという事ですが、本人は「業務提携と僕の借金は関係ない」と強く否定しています。
※今回株式売却で得た2429億も、大半は税金と借金返済で消える?

そのためか、せっかく集めた凄いコレクションがどんどんオークションに掛けられていました。
[現代アート]ついに売却! ZOZO前澤氏コレクションまとめ (売却編)

実は前澤社長と同じような運命を辿っている過去の偉人がいます。
足立全康です。

島根のド田舎の安来市に生まれた全康は頭が悪すぎて小学校を落第しそうになりましたが、大人しくていい子なのに落第は可哀想だという先生の慈悲で辛うじて卒業出来ました。
・・・が・・・その後商売で才能を発揮します。
石炭を大八車で販売する仕事等、苦労をする内に商才を発揮し、15歳で大人を使う商売人に。
第二次世界大戦後、大阪で商売をしてた知人から「今すぐ大阪に来い!戦後復興で何を売っても儲かるぞ」との話に乗り、大阪に進出し、繊維問屋で成功し、不動産業に進出してからは、新大阪駅開業前に、当時田園地帯だった周辺の土地を、売り渋る農家を説得して買い漁り、ぼろ儲け!!

あまりに儲け過ぎたために大阪市から「足立さん、もう相当儲けなはったでしょう。このくらいで少し静かにしといてくれんかね」と言われて、不動産事業をやめ「生まれ育った地元に恩返ししたい」と安来市に自分のコレクションで美術館をつくる事に。
しかし、地元の反対にあい、建設許可が下りませんでしたが、ここでも全康は新大阪周辺の農家を説得した時の粘り強さで、頭を下げ続けて美術館設立にこぎつけます。

その頃、美術品売買の会社を設立し、当時美術品バブルで、ひと月で倍になるような絵画もあり、美術品に投資したお金はすぐに数倍になると思われました。
ところが、美術品バブルが弾けて1/2、1/3になる絵画も続出・・・多くの大手美術商が潰れる中、全康もせっかく集めた貴重なコレクションを売る事で急場を凌ぎます。
なぜなら全康も前澤氏同様、銀行から多額の借金をして絵画を買っていたからです。
その時に、バブル崩壊でもほとんど値崩れしなかった横山大観の絵に心酔する事になります。

その後、全康は「これが人生最後の仕事だ」「この美術館を日本一、いや世界一にしたい」と美術館経営に打ち込みます。
しかしド田舎の安来市の美術館に観光客が来るはずがないです。
息子も脱サラして美術館を手伝うも、ビジネスとして話にならないと、再びサラリーマンに戻ったぐらいです。
転機は9年後にやってきました。

名古屋で展示されていた横山大観の「紅葉」を見て言葉も出ないほどの感動を受け、何が何でも手に入れたいと調べた所、「紅葉」を含む20枚の幻の北沢コレクションが管財人の手にある事が分かったのです。
その中には長い間、画集から切り抜いて額に入れ毎日飽きもせず眺め続け、夢にまで見た「雨霽る」まで含まれていました。
ここでも全康は2年に渡る交渉で一括購入をしようとします。
しかし最後になって、「雨霽る」と「海潮四題・夏」を外して欲しいと言われます。
ここで全康は
「一目惚れの女性に2年も通い続けて枕金も決め、さあ床入りという時に、枕をかかえて逃げられるようなもんだ。そりゃあんまりじゃないですか」
猥談で処理委員会のメンバーを説得
これには三井物産等、大手商社で構成されていた処理委員会のメンバーをして
「あなたの話にはまいりました。あれで委員みんなの腹が決まった。私もこれまでいろいろな名演説を聞きましたが、あれほどの殺し文句は知りません」
と言わしめて、見事20点全ての横山大観コレクションをゲット。

これを美術館の目玉に、日本庭園も16年連続日本一に輝き観光名所に。
祝!足立美術館の日本庭園が16年連続日本一を達成!
↓YouTubeで日本庭園のライブ配信しています。見る位置や角度や季節によって千差万別の景色となります。


何せこの庭、遠くの山に人工の滝(山の上までポンプで水を上げてる)を作ってて、和室の縦長の窓から庭を見たら、その滝がまるで日本画のように見える仕組みになっています。

全康は努力と謙虚と粘り強さと他人を魅了する説得で人生を切り開いてきた人でした。
彼の座右の銘は
「ワシの人生は、絵と女と庭や」

今や足立美術館は安来市だけでなく島根県を代表する観光スポットになっています。
どじょう掬い以外何もないド田舎なのに、土日は観光バスで無駄にだだっ広い駐車場が埋まります。
また、足立美術館賞を作り、院展の中から優秀作品を買い取りして芸術界の振興をしています。

全康も銀行から多額の借金をし絵画を買った事で金策で絵画を手放したことがありますが、結局は芸術に人生を捧げたように、前澤社長も借金で絵画を買ったり、公益財団法人現代芸術振興財団を設立するぐらい本気で芸術が好きなら、またリベンジして芸術界に貢献して欲しいですよね。

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