仮想通貨取引所の世界大手バイナンス(Binance)は、1ヶ月以内に自らのプラットフォームに店頭(OTC)取引を追加し、ユーザーに法定通貨ゲートウェイを提供する計画だ。

バイナンスの共同設立者でありチーフマーケティングオフィサーであるイー・ヘー(Yi He)氏は、2019年9月17日(現地時間)の上海ブロックチェーンウィーク(Shanghai Blockchain Week)におけるメディアセッションで、同取引所が中国の人民元を用いた、法定通貨と仮想通貨のOTC取引をサポートする予定であると述べた。

この新サービスは、バイナンスが更に中国市場へ多くの時間と資源を費やす今後数か月の計画の一環だと同氏は付け加えた。さらに同取引所は、170カ国のユーザーがBinance.comにおいて法定通貨を用いて暗号資産を購入できる決済サービスも開始する。

仮想通貨と法定通貨間のOTC取引が、中国を拠点とする仮想通貨トレーダーに意味するところは大きい。それには、中国当局が2017年9月にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を禁止する一環として、取引所と銀行及び法定通貨デポジット間が直接繋がらないような措置がとられている背景がある。

それ以降、フォビ(Huobi)やオーケーコイン(OKCoin)等、古参の中国系取引所は海外に移って仮想通貨間取引を提供しながら、OTCのマーケットメイカーを自らのプラットフォームに引き入れ、ユーザーが中国元を用いて仮想通貨を売買できるようにしている。

CoinMarketCapのデータによればバイナンスは世界最大の取引量を誇っており、実体経済とのつながりを強める動きを矢継ぎ早に重ね、金融のメインストリームへ近寄っていっていることから注目される。

今月初めには、バイナンスは『フューチャーズA』と『フューチャーズB』という2つの仮想通貨先物取引プラットフォームのテスト用サンドボックスの提供を開始した。ユーザーはどちらが良かったか投票することとなる。その翌日には、セーシェル共和国に登記されている仮想通貨デリバティブ取引所JEXの買収を発表している。

先週、バイナンスは、ドルベースのステーブルコインであるバイナンス USDを上市し、同コインはニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の承認を得たと述べた。

同取引所は自らのステーブルコインを、フェイスブックが擁するリブラの対抗馬として売り込んでいる。また、今年に米国顧客の受け入れを禁止するという動きも見せていたが、9月18日(現地時間)から米国での提携企業を介して米国顧客の受け入れを開始すると発表している

そして、2019年9月18日(現地時間)、金額は非公表なものの、同取引所は中国の暗号データ及びメディア企業であるマーズ・ファイナンス(Mars Finance = 火星財経)に出資したところである。 

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/21932/ 

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