あなたの死後、あなたのビットコインはどうなるのだろう?

これは単なる哲学的な問題ではない。相当な量のビットコインが関係するかもしれない。

仮想通貨と死後の問題が最近、20人ほどの開発者がロンドンに集まった目的だった。現行のライトニング・プロトコルを「デットマンボタン」──検閲されることなく、相続人のために安全に仮想通貨を保存するシステム──としてプライベート・メッセージを送るという別の目的で使うことを検討した。

ライトニングラボ(Lightning Labs)のインフラエンジニア、ジュースト・イェーガー(Joost Jager)氏はこの1年、ライトニングをメッセージングに使う研究を続けてきた。

スノーデン氏も同様のボタンを使用

ロンドンで開催されたアドバンシング・ビットコイン・カンファレンス(Advancing Bitcoin conference)で、イェーガー氏はライトニングを使ったデッドマンボタンの構築を検討するワークショップを主催した。

目的はライトニングが決済システムと同様、メッセージング・システムとしても使えることを示すことだった。

こうしたボタンは新しいものではない。

ワークショップでイェーガー氏は、アメリカ国家安全保障局の内部告発者であるエドワード・スノーデン(Edward Snowden)氏も、ジャーナリストたちが同氏が公開を望んだ書類の内容を公にする前に自身が死んでしまったケースに備えて同様のボタンを使っていたと指摘した。

ワークショップのゴールは、ライトニングの比較的新しい機能「キーセンド(keysend)」(以前はspontaneous payments[自発的決済]として知られていた)を検討することだった。

これは非常に実験的で、まだライトニングの仕様書にも記載されていない。しかし、これはトランザクションとともに(イェーガー氏が取り組むライトニング実装であるLNDの「カスタム・レコード」と呼ばれる)データを送信する方法を提供できる。

デッドマンボタンの仕組み

仕組みを説明しよう。

ビットコインを誰かに相続財産として譲りたいと考えているユーザーを想像して欲しい。ユーザーは自分自身が生きていることを知らせるメッセージを週1回程度送信するための「ボタン」を押すことで、「サービス」と交信する。

もしボタンが押されなければ、そのビットコインユーザーは死亡、もしくは活動能力を失い、ビットコインを譲り渡す時が来たと推定され、そのタイミングで仮想通貨の回収に使われる「秘密」を同サービスが自動的に送信する。

さらにイェーガー氏は、たとえ実行しにくいプログラムが作られたとしても、追加機能を加えるべきと考えている。

プログラムは、送信者と受信者のプライバシーを維持しなければならず、さらに同サービスが秘密を守っていることの証明を送信者が得られるようにすべきと述べた。

開発者は小グループに分かれ、これらすべてと他の目標を達成できるサービスの構築方法について検討した。ワークショップに参加した開発者が考え出した複数のアイデアをイェーガー氏はギットハブ(GitHub)に公開した。

同氏はそこに、複数のアイデアを実行に移すための大まかな実装案を含めたが、同氏はコードは「きわめて限定的で、記載されたことすべてが実装されているわけではない」と語った。

この設計は必ずしも前に進めるうえでの最善の方法ではないとイェーガー氏は述べた。だが同氏はこの概念実証が他の実装にインスピレーションを与えることを期待している。

想像力と損失

ワークショップの題材としてデッドマンボタンを選択した「一番の」理由は、メッセージングシステムとしてライトニングができることを示すユースケースとして十分に複雑だったためとイェーガー氏は語った。

しかし同氏はデッドマンボタンは今後、ライトニングの本当のユースケースとなり得るとも考えている。

「多くの人が仮想通貨の相続準備を始めようとしており、誰を信頼するかについて決断する必要に迫られている。欠点が解消され、全プロセスがユーザーフレンドリーなインターフェースの下に隠されることになれば、デッドマンボタンは選択肢になり得る」と同氏は述べた。

これは「短期間で実現できるとは思えないが、可能性を見つけて欲しい」。

仮想通貨相続の専門家で、仮想通貨相続を考えている人向けの著書もある弁護士パメラ・モーガン(Pamela Morgan)氏は、テクノロジーはまだ準備が整っていないというイェーガー氏の意見に同意した。

だがモーガン氏は、今はまだ、いかなる実験的なデッドマンボタンへの出資も勧めないと語った。

「デッドマンスイッチは、我々の想像力を刺激する面白いプロジェクトだが、仮想通貨資産の遺産分配という複雑かつ分野横断的な問題の解決には機能しない。遺産相続のような重要な事柄をこうした解決策に頼ることは、壊滅的な損失につながりかねない」

しかし、同氏はこのテクノロジーには希望があると述べた。仮想通貨愛好家の中で死後に仮想通貨をどうするかについて何らかの計画を立てている人はほとんどいないため、仮想通貨の相続をより一般的にする方法を模索していることを喜ばしく感じている。

「もしデッドマンスイッチが加わることで、より多くの人たちがビットコイン相続の計画を実際に作り始めるなら、全面的に賛成する。実際に何かをしている人はごくわずかだから」と同氏はCoinDeskに語った。

一方、イェーガー氏はネットワークにメッセージを簡単に送信できるようにライトニングのメッセージング・システムの強化を進めている。 

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/40382/ 

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