2020-05-16 09:39 | カテゴリ:勉強や投資情報
『ウォール街のランダム・ウォーカー』のまとめの続きです。
第一章 株式投資の二大流派
第二章~第四章 過去のバブルについて
第五章~第七章 テクニカル分析とファンダメンタル分析について
第八章~第九章 学者の投資へのアプローチ(MPTとCAPM)について
第十章 行動ファイナンス学派の新たな挑戦
第十一章 「スマート・ベータ」と「リスク・パリティー」
第十二章~第十五章 最後のまとめ

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章ごとのまとめを毎回公開してますが、ぶっちゃけ、5行で超要約すると
・過去のバブルを通して人間の愚かさを説明
・投機家のテクニカルは宗教で論外と、侮蔑を持って否定
・投資家のファンダメンタルは主義でお手並み拝見と、遠慮を持って否定
・学者の現代投資理論は一考の価値ありだが、敬意を持って否定
・結果、インデックスファンドのドルコスト平均法による長期運用こそ至高の投資法

で、これだけ読んでも三日後には忘れてますよね。なのでなぜ上記の考えに至ったかの詳細を知る事が大事だと思います。
※インデックスファンドのドルコスト平均法とは、分散投資+時間分散で究極にリスクを減らした投資法ですので、逆に言えば究極に儲からない事はシミュレーションしたら一目瞭然で、100万を1000万にするとか不可能な事は知っておいてください。また、好景気の時に始めて、平均取得単価が高い期間が長いと、損失期間が長く、時間を相当無駄にする事になるので注意です。

また、本書を読む時の注意点として、様々な検証結果や数字が示される事はありますが、テクニカルアナリストは『統計は嘘をつかないが、統計使いは統計を使って嘘をつく』状態であるのと同様に、著者自身も、まさに『統計は嘘をつかないが、統計使いは統計を使って嘘をつく』状態ではないだろうか?という疑問符は常に付きまといます。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』まとめ 第十二章~第十五章 最後のまとめ

※青文字は本著に書いてある事でなくて、塩漬けマンの捕捉説明や意見

第十二章 財産の健康管理のための10ヶ条

この章はアメリカの金融商品を中心とした具体的な投資先の話なので省略。とりあえず「自分のリスク許容度を認識して身の丈にあった投資商品で分散投資でPFを組め」って感じでした。後アメリカ人だからか、やたら投資による節税節税ってうるさかったです。マイホームも税制優遇と最強のインフラヘッジとして推奨してたし、保険や年金も税制優遇から推奨していました。

第十三章 インフレと金融資産のリターン

株式投資の平均リターンをもたらす主役は配当から自社株買いに代わっている事、また株式は債権よりもインフレヘッジが効いている事を説明し、実際に戦後のデータからそれが本当か検証し、最後に今後の株式と債券とインフレから金融商品のリターンを予想しているけど、結局予想は不可能なのでインデックスファンドの長期投資がいいっていういつもの落ち。

第十四章 投資家のライフサイクルと投資戦略

投資戦略はライフサイクルに照らして無理のないものである事。
34歳と64歳では投資対象は全く異なる。
個人が投資を行う上で最も重要な意思決定は、人生のステージに応じて、株式、債権、不動産、マネーマーケット商品などの「アセット・ミックス」をいかにバランスの取れたものにするかという決定である。
投資のリターンの90%は、このアセットミックスの選択によって決まり、残り10%がその中身(個別株とか何の債権かとかどんな不動産を買ったか)によって決まる。
アセット・ミックスを決定するための5つの原則
・リスクとリターンは正比例する
・投資のリスクは投資期間に依存し、長い程リスクの変動幅は低下する
・ドルコスト平均法(長期定額少額購入)はリスクの軽減に役立つ
・定期的なアセット・ミックスのリバランスはリスクを低下させ、リターンを高める事も可能とする
※例えば自分のリスク許容度から、株式60%:債権40%と決めておいて、騰落によりその比率が70%:30%になっていたら、年に一度株式を売って(利確)、債権を買い(ナンピン)、比率を60%:40%に戻す事をリバランスという。
これってシャノンの定率再分配PFみたいですね。シャノンは株式50%:現金50%で毎日、その日騰落した分を50:50にするリバランスするやり方でしたが。自動的に利確とナンピンをする事で利益曲線は右肩上がりとなるけど、実際やると手数料と税金で負けるって奴。勿論延々と下げ続ける投資対象では利益にならない。
・リスク選考とリスク許容とは区別する事。リスク許容度は個々の総合的な財務状態(年齢・仕事・金融資産等)に依存する

年齢に応じたアセット・ミックスを設計する事をお勧めする。
20代では株式の割合を高く(成長性のある新興国も視野)、債権・不動産(RIET、自宅も含む)・現金は少なく、歳を取るにつれて株式の割合を減らし、他を増やす。
※勿論どの金融資産もインデックスファンドである事。また運用コストが低いのは必須。

年齢に応じたアセット・ミックスの選択やリバランスを自動でやってくれるライフサイクル・ファンドも開発されている。
自分で選んだりリバランスをするのを煩わしいと考える投資家にうってつけだが、運用コスト(手数料)はちゃんと確かめておくこと。

この後は、アメリカにおける老後資産運用の具体的な話(年金を絡めつつ)なので省略。

第十五章 ウォール街に打ち勝つための三つのアプローチ

1.思考停止型の歩き方・・・様々なタイプのインデックスファンドを買うだけ
→何の努力もせずにプロの投資家を上回るパフォーマンスを上げれる
※その秘訣は運用手数料と売買コストの低さに加えて税法上の優位性
※機関投資家の運用はゼロサムゲームでそれぞれが売買して金を奪い合っているだけで総じて利益0であり、手数料や売買コストの分だけ必ずマイナスになる
インデックスファンドは何の苦労なしに最低のコストで市場平均リターンを手に入れるための賢明で便利な手段。
ただし、S&P500のインデックスファンドを買うより、ラッセル3000のインデックスファンドを買った方がよい。
アメリカ市場では過去80年間、小型株の方が大型株のパフォーマンスを上回って来た事実があるので、それらを網羅しているインデックスファンドを選ぶべきだからだ。
また、他国のインデックスファンドをもPFに組み込む事で、よりリスクを引き下げる事が出来る。

2.手作り型の歩き方・・・有望銘柄を自分で探す
インデックスファンドは退屈で市場平均と同じリターンしかもたらさない事に不満を感じ、他人よりも稼ぎたいと思うギャンブラーはこれを選ぶ。
↓その際に著者が勧めている銘柄選択ルール
ルール1:少なくとも5年間はEPSが平均を上回る成長を期待出来る銘柄だけを買う
ルール2:ファンダメンタル価値以上の株価で買ってはならない
※ただし、低PER銘柄を買う今流行の戦略ではなく、相対的低PER戦略(割高を許容出来る期待成長銘柄であれば低PERでなくても買ってよい)
ルール3:近い将来バブルが来る事が予想される確固たる成長見通し・ストーリーのある銘柄を買う
ルール4:なるべく売買の頻度を減らす・・・「勝ち馬に乗り、負け犬は切り捨てろ」=利益は伸ばし損切は素早く

上記を守ったとしても効率的市場仮説には勝てないだろう。
従って遊びで自分で銘柄選択をしてスリルを味わうのは資金の一部とし、大部分はインデックスファンド・債権・不動産と分散投資すべきだ。

3.人に任せるタイプの歩き方・・・専門家を雇うべし
勝ち馬に乗るのは難しいが最高の騎手(=ファンドマネージャ)を選べばよい。
ただし、あらゆるファンドの成績を分析した結果、長期的には市場平均を上回るリターンを上げたファンドは皆無(あってもファンドを閉じている)であった。
過去の実績は未来の結果を保証してはくれないばかりか、過去に素晴らしい成績を上げたファンド程、未来では最下位レベルの酷い成績となる事が多い。
ただし分析の結果、成績の良いファンドの特徴として、ほどほどの経費率と低い回転率が上げられる。
結局、運用会社の取り分・売買手数料が少なければ投資家の取り分が多いというだけの事だ。

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著者はこの長い1~15章の全てにおいて、全身全霊を込めてインデックスファンドをドルコスト平均法で買う投資法を勧めているけど、実際のシュミレーションでは時間掛かり過ぎる上に全然儲からない上に、マイナスにでもなったら時間を無駄にし過ぎてて馬鹿らしいというのは以下のブログで紹介した通りです。

インデックスファンド投資って本当にそんなにいいの?検証してみた!

結局、ドルコスト平均法だと、好景気で株高の期間が長い程、平均取得単価が高くなるので、不景気入りした時の利益の減りが凄くて、減るだけならまだしも、マイナスになります。
ここ2~3年で始めた人は、今現在、コロナショックで完全に高値掴みした状態となり、今から儲けるには、この株価低迷が数年は続いて、その間も耐える所か機械的に買い続けて(=ナンピン)、平均取得単価を下げるしかないという、まさに時間を犠牲にして薄利を取りに行く投資法となります。
本書で推奨されている、インデックスファンドのドルコスト平均法をやるなら以下の条件を満たしている事が必要になります。
・若い
・不景気で株価低迷している時に始める
・運用コスト(売買手数料含む)が凄く小さいインデックスファンドを選ぶ
・配当がなるべく多いインデックスファンドを選び、勿論配当再投資で複利とする


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