私は大学生の人気就職企業ランキングを見るたびに思うことがあります。
以下は今年4月にマイナビと日経が出した2021年卒業生の文系の人気就職企業ランキング上位5社です。
1位:JTB
2位:ANA
3位:東京海上日動火災
4位:JAL
5位:オリエンタルランド
詳しくは以下参照
お気づきだと思いますが、3位の東京海上日動火災以外、新型コロナウイルスの蔓延が直撃し、大赤字に苦しむ観光関連企業です。
これ以外にも、ベスト20までにHIS、PLAN・DO・SEE、近ツリ、JR東等、コロナ直撃企業が入っています。もちろん、このアンケートはコロナ蔓延前に取られたものでしょうから、今から就職を考えている人たちのランキングはがらりと変わることでしょう。
ずいぶん昔、長期投資の観点からは、学生の就職ランキング≒買ってはいけない株リストといった記事を書いたことがあります。
既にリンク先は消えていますが、とにかく、呆れるほど大学生の人気企業ランキング上位企業というのは長期的には危険企業なのです。(ここでダメだと書いているソニーは今や人気企業であり、当時もANAは新型インフルエンザで大変なことになっていたのは面白い。)
長期投資をするにあたって非常に重要なポイントが、「①不人気企業に投資する」です。人気が出てからでは遅い。次のポイントが「②成長企業に投資する」です。既に大きくなりすぎた企業は成長の観点からは疑問符がつきます。3つ目のポイントは「③(表面的なイメージではなく)本質的な実力を評価する」です。過去の業績推移や将来性などから、徹底分析する力が必要となります。
ところが、大学生(特に文系)は、その逆なんですね。①人気企業を目指す。②安定の大企業を目指す。③(将来評価という点では)不勉強。その結果、買ってはいけないリスト化するのでしょう。
もちろん、新型コロナは誰も想像できなかったわけですから、今年のそれだけを取り上げて評価するのは問題があります。しかし、この記事にもあるように少し前ならみずほや三菱UFJといったメガ銀行が人気企業でしたが、今はフィンテックの急速な進化により、リストラが始まっています。自動車も安定の人気企業ですが、こちらは世界的な環境意識の高まりから、二酸化炭素排出企業に対して厳しい時代が到来するでしょう。もし、電気自動車が普及するとしたら、やはり米・中企業の台頭は避けられないでしょう。古くは鉄鋼や繊維が大人気企業だったこともありますが、今時、「鉄は国家なり」等と言ったら、笑われますね。
私のころはマスコミや出版が大人気でした。TV局に就職した友人に対しては、ひどい劣等感を持ったものです(結局その方は激務で体を壊し、3年程で退職したが…)。今はネットに時間を取られるので、「地上波見ない。新聞読まない。本読まない」です。
大学生も長期投資を勉強すると良いと思います。
人気や安定という言葉が、如何にモロいものか?嫌と言うほど理解できることでしょう。
もっとも、最近の学生は私たちのころのように「会社に人生をささげる」ような感覚はないでしょうから、株でも売買するように、簡単に就職先をバイバイしていきます。そのこと自体は悪いとは思いませんが、その場合であっても、もし、転職を繰り返しながら、自分を磨いて、市場価値を高めたいのであるならば、最初の就職先が人気の大企業である必要はなさそうです。
人のいく 裏に道あり 花の山
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