以前、雑誌の取材で答えたことがあるのですが、特に安全性や収益性の指標はあくまで補助的に使うようにし、時系列の損益計算書の変化や「この会社が何をやろうとしているか?」つまり、成長ストーリーの方が重要です。
何らかの先行経費をかけて勝負をかけている企業の中には、財務内容は決してよくないものが混じっています。
けど、こういう会社は、狙い通り、ビジネスが回りだすと一気に収益性が高まります。
安全性が低いというのは、裏返すと、レバレッジがきいているということですから、狙い通りに儲かりだすと、一株当り利益(EPS)が一気に拡大し、大上昇につながることがあるのです。
ただし、リスクは高い。
だから、当面は投資額を少なめにして様子を見つつも、何か前向きな変化が現れたら、市場に気づかれる前に、いつでも追撃買いを出来るようにしておく。
こんな感じで、財務内容と成長ストーリーと株価の変化を見比べて、柔軟な投資戦略を構築したいのです。
結局のところ、財務分析だけやっても過去しか見えてきません。けど、成長ストーリーと合わせて検討することで、未来の手がかりが見つかることがあるのです。