今よりもきっと良い未来 | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

銀行が - そして経済全体が - 生き残り、繁栄できるのは、私たちが将来を信頼しているからにほかならない。この信頼こそが、世界に流通する貨幣の大部分を一手に支えているのだ。~サピエンス全史(下):ユヴァル・ノア・ハラリ~

 

 

ここへ来て、超重たかったメガ銀株まで、紙のように舞い始めましたね。今回は金利上昇を背景とした根拠のある上昇ですから、ひょっとしたら大化けするかもしれません。この会社に限らず、銀行株はどれもこれも超割安ですから、「割安かつ先が明るい」というVE投資の条件が整ったようにも見えます。ええ、私もこの株ではありませんが、銀行株を飛びつき買いしてみました。このところ、急に動き出した大型株への飛びつき買い作戦がかなりうまく行っていますので…。(例によって、あれよあれよと騰がるため、ちっとも買い足りない状況ではあるが…。)

 

 

さて、冒頭のサピエンス全史からの一文は、日本経済復活の重要な論点だと思っています。同じ本にこうもあります。

 

概して昔の人々は自分たちの時代よりも過去の方が良かったと思い、将来は今よりも悪くなるか、せいぜい今と同程度だろうと考えていた。(中略)したがって、個人としても王国としても、あるいは世界全体としても、10年後にはより多くの富を生み出すなどと考えるのは、割の悪い賭けに思えた。~サピエンス全史(下):ユヴァル・ノア・ハラリ~

 

中世以前は世界経済はずっと低迷(安定)していたそうです。なぜなら、「これまでもこれからも何も変わらない。か、むしろ悪くなる。」と大半の人々が思いこんでいたからです。ところが、近代以降の技術革命が、「将来は今よりもずっと良くなる」という信頼を生むことに成功し、急激な経済拡大が始まったわけです。

 

この説でいくと、「日本は既に競争力を失い、人口減少も続く為、これからどんどん悪くなる。」という国民の思い込みが、企業の前向きな投資を抑制し、日本経済を低迷させてきた重大な要因のように思えてなりません。

国民が将来を信頼できる、そういう何かが生まれれば、経済は復活し、株価は上昇するはずです。

 

今、近年稀に見る超強気相場の真っただ中にいますが、コロナのせいで今があまりに悪いため、「将来は今よりもきっと良いはずだ」という希望や信頼が、世界的なカネ余りとあいまって、現実ではなく未来にばかり目を向けさせ、株価を押し上げているのかもしれません。