資本主義の最も神聖な掟 | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

ここ数年、各国の政府と中央銀行は狂ったように紙幣を濫発してきた。(中略)政府と中央銀行は何兆ものドル、ユーロ、円を何もないところから生み出し、薄っぺらな信用を金融システムに注ぎ込みながら、バブルが弾ける前に、科学者や技術者やエンジニアが何かとんでもなく大きな成果を生み出してのけることを願っている。~サピエンス全史(下):ユヴァル・ノア・ハラリ~

 

 

再度、サピエンス全史を読み返しています。面白いですね。

 

一体、今の超強気相場はバブルなのか?何なのか?

 

本質的なところが知りたくて、そういう視点で読み進めていく中に、上の一文を見つけた次第です。

 

「紙幣を大量に発行すれば、資本主義のメカニズムによって、その大半は科学技術に注ぎ込まれ、これまで見たことも無かった新しい産業を生み出す。世界の経済規模はさらに大きくなり、その結果、大量発行が正当化される。」という主張です。

 

今回は、脱炭素とデジタルにその大量の資本が流れ込むことで、大量発行を正当化させるというシナリオですね。

 

 

あのーっ、言い切っていいのかどうかちょっと悩みますが、長年株をやってきてつくづく思うのは、「長いものには巻かれてしまえ。」です。はい。

 

「国策に売りなし」という相場格言がありますが、つまり、そういう事です。

 

ハラリ氏が言うように、資本主義のメカニズムを使って、先進各国が総力で産業を立ち上げにかかるわけですから、株が騰がらないはずがないんですね。(できれば、どっちに転んでも恩恵をうけるような株を買いたい。競争する側ではなく、競争が激しくなることにより恩恵を受ける側。)

 

 

1980年代の日本の資産バブルが大崩壊してしまったのは、おそらく、厖大な紙幣が、科学技術ではなく、土地や株にのみ流れ込んだことが問題だったとも言えるでしょう。(日本の投資家はその時の印象が強すぎるため、総じてバブル恐怖症に罹患している。)

 

新しい資本主義の信条における第一にして最も神聖な掟は、「生産利益は生産増加のために再投資されなくてはならない」だ。~サピエンス全史(下):ユヴァル・ノア・ハラリ~

 

今回、日本企業はこぞって脱炭素とデジタルに生産利益を投下していますから、うまく行く方にしばらくは賭け続けようと思います。

 

 

だが、もしバブルが弾ける前にさまざまな研究室がこうした期待に応えることができなければ、私たちは非常に厳しい時代へ向かうことになる。~サピエンス全史(下):ユヴァル・ノア・ハラリ~

 

昨日のNHKスペシャルは脱炭素でしたね。

 

 

「次の10年間に脱炭素革命が進まなければ、地球は制御不能な温暖化に進むのか?」については、私にはよく分かりませんが、紙幣の大量発行を正当化させるのには、十分すぎる壮大なテーマとシナリオを用意してくれました。

 

うまく行かなかった場合の非常に厳しい未来とあわせて…。