通貨革命はデジタル化によって前進するが、世界の大多数にとってはすぐに実現するものではない──国際決済銀行(BIS)は1月27日に発表した中央銀行デジタル通貨(CBDC)についてのレポートでそう述べている。

3回目となるBISの年次アンケートの対象となった中央銀行の86%は、少なくともCBDC発行のメリット/デメリットを検討しており、昨年の80%から増加している。調査は、65の中央銀行を対象に行われた。

注目すべきは、議論レベルから先に進んでいると回答した中央銀行の割合だ。60%が現在、CBDCの実験、あるいは概念実証を検討している。前回の調査では42%だった。

新興国の課題

新興国の中央銀行は、先進国の中央銀行よりも積極的で、高い目的意識を持ってCBDCを推進しており、金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)と決済の効率性を最大の原動力としてあげている。

※金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン):すべての人が金融サービスを利用できるようにすること。具体的には、銀行口座を持たない、あるいは十分な銀行サービスを受けられていない人にインターネットなどを活用して金融サービスを提供すること。

さらに、数の面でも新興国は先進国を上回った。現在、具体的に進行中の8つのCBDCプロジェクトのうち7つが新興国で行われている。

「そうした原動力の証拠となるのは、世界初の運用となったバハマのCBDCだ。他の国々もあとに続くだろう。合計で、世界の人口の5分の1を占める国々の中央銀行は、今後3年間でCBDCを発行する可能性が高い」(BISレポート)

BISは、国ごとの発行計画の詳細を明らかにしていないが、この数字は世界の人口の18%以上を占め、最も進んだCBDCプロジェクトを推進する中国の存在が大きい。中国がデジタル通貨電子決済(DCEP)のテスト運用を開始してから、すでに1年が経過している。

短期的な発行の可能性は後退

BISは、CBDCの世界的な普及はまだ先になるだろうと指摘する。各国のCBDC研究は進んでいるが、プロジェクトを展開する具体的な計画はあまり見られない。

具体的には、2019年の調査では、CBDCを短期的に発行する「可能性が高い」と回答した中央銀行の半数が、2020年の調査ではその回答を「可能性がある」または「可能性が低い」に後退させている。

先行していたプロジェクトも、運用開始のスケジュールについては明言を避けているとBISは述べた。

大部分の中央銀行は、「ホールセール型」CBDC(金融機関の決済に利用)よりも「リテール型」CBDC(消費者や企業が日常的に利用)に関心を持っている。以前は両方のモデルを検討していた一部の国々も、現在はリテール型の研究に重点を置いている。おそらく、銀行のためのデジタル通貨よりも、市民のためのデジタル通貨に、より価値があると考えているのだろう。

CBDCの合法性は、調査対象となった中央銀行の間でおおむね答えが出ないままになっている。48%はデジタル通貨を発行する権限があるかわからないと回答し、26%は確実にその権限はないと回答した。

暗号資産には否定的

中央銀行は最新の2020年の調査でも、暗号資産(仮想通貨)はメリットがあるとしても限定的で、ほとんど重要性に欠けるものと捉えている。3年続けて、大部分の中央銀行は、暗号資産を国内の決済分野において「些末(さまつ)なもの」と位置づけた。

注目すべきは、40%以上が暗号資産は国境を超えた決済において「優れた」メリットを持つ可能性があると回答した。これは唯一の高い数字となった。

中央銀行、特に新興国の中央銀行は、ステーブルコインがもたらす脅威への懸念を示した。3分の2以上の中央銀行は、この問題を研究していると答えた。

回答した中央銀行はそれでもなお、民間のステーブルコイン構想(例えば、フェイスブックが主導してきた「リブラ/ディエム」)は、自国のCBDCプロジェクトを推進する要因ではないとしている。ステーブルコインや暗号資産との競争は、CBDCを推進するための説得力のある論拠にはなっていない。

「暗号資産については、中央銀行は決済手段として幅広く利用されることはないと見ている」とレポートには記された。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/97249/ 

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