戦後のインフレ期間、株価は上がり続けましたけど、それが何か? | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

昨日の記事を読んでご質問がありました。「ポジションを落としたのは信用取引分だけか?現物もか?」といった内容です。

 

信用取引分だけです。ちょっと分かりにくい書き方でした。失礼しました。現物を売って、信用分を現引きした分もありますが、基本はいつものフルポジションです。

 

確かに小型成長株の一角にバブルな銘柄が多いのは認識していますが、PBRが1倍を大きく割っていて、配当利回りが3%を大きく上回っている銀行株や商社株、あるいは、長期的なチャートで見て、まだまだ底値からちょっと上がった程度の景気敏感株が、本当にバブルと言えるのでしょうか?

 

私はそうは思いませんので全面撤退をしようとは思っていません。


おそらく、バブル崩壊派の一つの根拠は、日本株のPERが高くなりすぎていることだと思いますが、高PERにも、悪い高PERと良い高PERの2種類があります。

 

通常、PERが低いことはよいことであると思われているが、循環株の場合は例外だ。循環株のPERが低いときはたいてい好景気の末期であることを示している。(中略)
反対にPERが高いとき、これは通常悪いこととされているが、循環株の買い時であろう。 ~ピーター・リンチ~

 

銀行や資源や家電、自動車といったシクリカル株(循環株)は、「PERが高いから割高」などと判断してはいけません。儲かり出したら、前年の2倍も3倍も利益を増やすことが普通なのに、「PER30倍は高い」等と言うのはナンセンスです。(利益3倍を叩き出せば、あっという間にPERは10倍になる。)

 

もちろん、たいして成長していない企業のPER30倍は悪い高PERですし、成長していたとしても逆算すると市場を席巻しても説明できないほどのPER(例えば市場規模は今の5倍が限界なのにPER200倍みたいの)も悪い高PERです。

 

「どうせバブル崩壊で株価が急落すれば、またデフレ不況に戻るだろう」というご意見もあるとは思いますが、少なくとも脱炭素革命で、「これまでは環境には悪かったけど安く手に入れられたもの」に環境負担金が付加されてインフレ傾向に移行することは目に見えていますし、たった10年で再生エネルギーやEVや水素社会に大きく舵を切ろうとすると、これらに関連する資材や部品の不足はかなり長期化すると思われます。ジャブジャブのカネ余りだけがインフレ要因ではなく、ウラで構造的な変化があるわけですから、そういう構造変化に乗っていける株はバブルだとは思いません。(もし大きく下がれば勝負に出たい)

 

全くもっていつもの事ですが、金利負担増やそれに伴う株式市場の萎縮といった負の要因にばかり目が行く日もあれば、売価や販売数量が急増し、企業収益が拡大する正の要因にばかり目が行く日もあって、市場はすべて一緒くたに乱高下を繰り返ししているように見えます。しかし、良い株は他が下がっている時に逆行高したり、他と連動しているように見えて実はほとんど下がっていなかったりを繰り返し、結果的に差が広がっていきます。

 

あとはイメージですね。ゲームストップやテスラやビットコインの異常な急騰に衆目が集まり、「株式市場も全部バブルだ」ってなっているんだと思います。もうちょっとちゃんと見てほしいと思うのですが、ほとんどの日本人はファンダとファンタビの区別もつかないレベルなので仕方ありません。

 

私の記憶の中で一番類似している例を挙げるとすれば、2006年に始まったライブドアショックに伴う小型成長株の大暴落と世界的な高景気に後押しされた資源関連株や金融株といった大型株の急上昇局面です。あの時も、ネット系の成長株にはあり得ない価格がつき、実体経済との乖離は酷いことになっていましたが、大型株にはなんら割高感は存在せず、その後2年間は上昇を続けました。(その後、リーマンショックで大暴落)

 

 

私が子供の頃はインフレは世界経済が成長する限り永久に続くもんだとみんな思っていましたので、デフレが始まった時、「まさか歴史の教科書でしか見たことのなかった異常現象が発生するとは・・・。」と驚いたものです。しかも、それがこんなに長く続くなんて・・・。

逆に今の若い人は永遠にデフレが続くと思っているのかもしれませんね。もちろん、そういう類のものでもありません。

 

ご存知とは思いますが、インフレが続いていた時代、株価は下がり続けたりはしませんでしたよ。むしろ、戦後のインフレ期間、一貫して日本株は騰がり続けていました。

 

 

下がったら下がったでビッグチャンス到来。騰がったら騰がったで一儲けさせていただく。現時点では、そういうスタンスです。