FIN(経済的自立ニート) | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

TBS番組、情報7daysニュースキャスターでFIREの特集が組まれていました。

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった言葉で、投資で十分な資産を形成することにより、経済的に自立し、早期退職を実現すること。だそうです。番組では、既にFIREを実現された方や、これからそれを目指している人々が登場しました。ただ、紹介されたFIRE成功者は、毎日、映画や自転車、散歩など、自分の好きなように時間をつかって、たまにUber Eatsでバイトしてる、みたいな方でしたので、「うーん、それって、どうなん?」って思いました。

 

投資で成功して経済的自立を果たし、会社を辞める行為を否定はしませんが、それで浮いた時間の使い方があまりに普通すぎて魅力を感じなかったのです。せっかく経済的自立を果たしたのであれば、空いた時間でボランティアをするとか、芸術に打ち込むとか、NPOを立ち上げるとか、何かしらもうちょっと社会の役に立つようなことに時間を使わないと、経済的自立ニート=FIN(フランス語で終わりの意)になってしまいます。

 

ビートたけしさんのコメントでも、「FIRE自体が目的になっているのは問題だ。」といった趣旨の事を言っていましたが、私もそれを感じました。

 

実は、私もFIREを目的化して頑張っていた時期がありました。ところが、FIREが可能になった今でも、会社員を続けています。たまたま面白い仕事をやらせてもらっているというのもあるのですが、金融資産がずいぶん増え、初めて経済的自立が見えたとき、「はて、で、俺って会社辞めて何がしたいんだっけ?」みたいになってしまったのが原因です。元々は「会社辞めて本を書きたい」等と思っていたのですが、それも「副業申請すれば会社辞めなくても本書けるし…。」ってなってしまい、「会社辞めてでもやりたい事が見つからない限り会社辞める必要はないか…。」と考え直したのです。

 

番組では4%理論というのも説明されていて、仮に1億円あれば1億円×4%=400万円以内の年収で暮らすのであれば、元本の1億円を取り崩すことなく、配当や値上がり益で回っていくというものです。これについても、「そんなのリーマンショックみたいなのが来たら、1発で続かなくなっちゃう」といった趣旨のコメントをビートたけしさんがしていました。私もそう思います。1億円くらいではかなり危険な気がします。

 

逆に、年収400万円ある会社員という身分は、1億円の金融資産に匹敵する強力な資産といえます。投資で1億円達成したなら、その上で会社員も続ければ、実質2億円の資産家と同じ生活ができると思うのですが、それではダメなんでしょうか?

 

今時、仕事をうまく選べば、会社行きながらでも、副業も許してもらえますし、リモートで家族との時間も取れますし、時差出勤や有休も普通にとれるので、ボランティアとかも空いた時間で出来ます。経済的自立を達成したうえで、何か余裕のある仕事を見つける(あるいは今の仕事を続ける)という選択肢も捨てる必要はないでしょう。

 

より重要なのは「人生をどう輝かせるか?」だと思うのです。

 

Fin