最高到達点 | エナフンさんの梨の木

エナフンさんの梨の木

ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

以前勤務していた部署の仲間に春の甲子園大会でベスト8まで勝ち残った方がいます。彼はその甲子園大会2回戦で決勝点となる2塁打を放ち、チームをベスト8に進出させた英雄です。当時は高校の廊下を歩いているだけで、下級生から悲鳴が上がったそうです。

何年か前に、彼と酒を飲みながら、当時の話で大いに盛り上がった(私も彼と同じ県の出身だったため、彼のガッツポーズをTVで見ていた)のですが、最後に彼がポツリと一言。「あの時、あの瞬間が、人生の最高到達点でした・・・。」

 

先に断っておきますが、彼は仕事が出来ないわけではありません。その職場で上級管理職として大いに活躍しています。問題はあまりに強烈な体験を若い時にしてしまったために、それを超えるほどの出来事がやってこないわけです。スポーツ選手やミュージシャンが、年を取ってから、ドラッグや酒に溺れて、しくじり人生を送ってしまったという話が後を絶ちませんよね。彼と同じような心境なのかもしれません。

 

その点、株式投資は良いですね。一度、勝ち方を覚えると、雪だるま式に財産は増え続けますから、常に今が最高到達点となります。

 

 

今までで一番手が震えたのは、1000万円ほどをある不動産株に突っ込んで当時としては最大の勝負をした時です。狙い通り、1.5倍に株価は上昇し、初めて500万円という大金を勝ち取りました。当時はまだガラケーを使った取引でしたが、手が震えて、ガラケーのボタンをうまく押せなかったのを覚えています。左手で右手をしっかり握って、何度も確かめながら、利確しました。

 

今はその10倍儲かっても、あるいは損をしても、何事も無かったように普段通り生活できます。そういうのに完全に慣れました。

 

株式人生における最大の壁は最初です。はじめてから数年で大半はやられます。もしくは大して儲からなくても損をしない投資法で自分を満足させてしまいます。

次の壁は、大金を手にした時です。大金を大金と思ってやっていたら、メンタルが持ちません。あるいは大金に目がくらみ、冷静さを失ったマズい投資にハマってしまいます。

普段の生活費と株の儲けは完全に切り離し、ゲームか何かと同様に、経験値でも貯めるような感覚に自分をもっていくのが重要です。大金を大金と思えなくするのです。

私は、株式口座の中だけでお金を回し、生活費はサラリーマン収入だけでやってます。そうすることで、大金を大金と感じないようにしているのです。

で、たまに海外旅行とか自動車買うとかといった、まとまったお金が必要な時だけ、株式口座から現金としてリアル社会に引っ張り出します。その時だけです。大金を大金と感じるのは・・・。(たまにはお金の力を実感しないと、それはそれでマズい気がしている。それで使うと決めた時だけは少々は贅沢をすることにしている。)

 

その二つの壁を超えたら、おくりびとがリアルな未来に見えてくるでしょう。(そして実際にそうなる。)