PEGレシオの根拠となる成長率はどこから出すのか? | エナフンさんの梨の木

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ご質問がありました。要約すると、

 

PEGレシオは、成長率と株価を比較する指標だが、

この場合、何を根拠に成長率を算出するのか?

 

といった内容です。

 

念のため、PEGレシオについてわからない方のために

過去記事を貼りつけておきます。

 

当ブログ記事「PEGレシオの意味を探る」2013.3.3参照

http://ameblo.jp/okuyama-tukito/entry-11482315997.html

 

成長率と言っても将来の成長率ですから、簡単ではありませんよね。

 

まず、この記事の表を再度掲載いたしますと、

成長率と直近PERが同じ数字の場合に

2~3年後予想収益ベースのPERが概ね妥当な水準になるわけですから、

予想するべき成長率というのは、今後、2~3年程度分

ということになります。

 

で、その予想の根拠としてどの数字を持ってくれば良いのか?

 

というのが今回の質問ですが、

考えられる根拠はおそらく次の4つとなるでしょう。

 

1)過去数年分の成長率を今後3年間に当てはめる

2)企業の中期目標数字を根拠とする

3)アナリストのコンセンサス情報から逆算する

4)あなた自身で考える

 

さて、どの数字を採用するのが良いのでしょうね?

 

私の場合は、1)~3)を参考にしながら、最終的には4)で決定します。

1)~3)は参考にはなりますが、ケースバイケースで判断すべきものですし、

どうせ、未来なんて誰もわからないわけですから、

最終的には、意思決定者である自分で作るのがもっとも納得のいくやり方だと思うのです。

 

例えば、

1)過去数年分の成長

が今後3年間本当にそのままのペースで続くのか?

ということについては、やはり、自分自身で考えるしかないのです。

私の知る限り、成長スピードを変えることなく、

過去の成長率を向こう3年間続けられる企業ってほとんどないと思います。

上手く行く時は、むしろ成長を加速させますし、ダメなときは、鈍化します。

 

2)中期目標数字

も、あまりに意欲的な数字を出している企業は、(姿勢は立派ですが)

あくまで、「意気込み」的な意味合いが強く、割り引いて考える必要がありますし、

一方で、極めて慎重な目標を出して、

翌年には早々に3年後目標をクリアしてしまう企業も見かけます。

 

3)アナリスト数字

は専門家の意見ですから、信頼性が高いように思うかもしれませんが、

そもそも、私たちが本当に釣り上げたい10倍高もするような小型成長株については、

ほとんど分析が入っていません。

逆に多くのアナリストの分析が入る大型株については、

その企業独自の成長要因よりも、

為替や景気や政治などの外部要因の影響を大きく受けるため

その予想はもっとずっと近未来(1年以内程度)である場合が多く、

仮に3年後の数字が書かれていたとしても、まずアテになりません。

 

 

ただし、

1)過去の成長率が今後も当分続くだろう。

(なぜならまだまだ成長余地が残っているから)と十分に思えるなら、

とりあえず1)をベースとし、

もし実際は成長が加速するようなら、その分はボーナス位に考えて

安全側の数字を置いてみるというのは、バリュー投資家らしいやり方と言えるでしょう。

 

また、

2)中期目標を見る場合は、過去の中期目標とその後の実績を比較して

・言った事を忠実に実行してきた企業なら中期目標数字はある程度信頼できる

・いつも目標を上振れしてくる慎重企業なら目標数字+αと置いてみる

・いつも目標を下振れるホラ吹き企業は、買うに値しない

といった判断をするのも味なやり方と言えるでしょう。

 

さらに

 3)アナリストがついているようなら、数字だけ見るのではなく、

実際に文章を全部読んで、

その人が根拠としている成長シナリオについて

自分なりに検証してみるというのも、

ベテランらしいやり方と言えるでしょう。

 

で、最後は、実際に商品やサービスを見た自分自身の肌感や

参考になりそうなライバル企業や統計数字、

あるいは過去の類似成長パターンなどを思い出し、

 

「ひょっとしたら、もっと上行くかもしれないけど、エィ、ヤーッの20%くらいかぁ~!!」

 

等と気合いで決めて、

「それに対して、PER11倍はかなり安いんじゃね。ほとんど大吉級の中吉じゃ~っ!!」

 

みたいに判断して、翌日から全力買いを始めたりするわけです。

 

(もし狙い通りなら、大抵の場合、予想を大きく超えて成長は加速しますが、

上側に間違えたとしても全く問題はありません。)

 

 

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