昔の話といえば、最近、四季報オンラインでこんな記事が流れました。
古い四季報でソニーを追跡、テンバガー投資の極意を探る(2)
https://shikiho.jp/tk/news/articles/0/160699/1
私自身、ソニー株を持っていますし、
テンバガー狙いの投資をずっとやってきましたので、
とても参考になります。
この株、上場して16~17年で株価を1000倍にしていたんですね。
私が株を始めた30年前でも、
ソニーやホンダの超大化け話は既に昔話として
広く、投資家には知られた話でした。
(成長株のポイントがうまくまとまっている気がします。)
さて、この記事を読むと、
ソニーはバリュエーション(割安さ)の観点からは
バラつきはあるものの、
割高な株価水準(PERで平均92倍)を維持したまま株価を上昇させていますので、
本物の大化け株については、
あまりバリュエーションにこだわり過ぎてはいけない
といったことが書かれています。
一方で、ピーター・リンチは
「株価が割高になり過ぎたら、売却を考えるべきだ。」
といっていますが、この点はどう考えれば良いのでしょうか?
実は、この会社の場合は成長率も非常に高いというところがヒントだと思います。
この記事によると、年率売上成長率は40%にも達し、
経常利益率は概ね10%ということですから、
おそらく利益成長率も40%だったと考えられます。
このブログではよくつかうPEGレシオ(PER÷利益成長率)という指標で判断すれば、
平均で2.3倍となります。
ピーター・リンチは、この指標で2倍を超えてくると危険ゾーンと教えてくれますが、
当時の全体としても割高な日本市場の感覚からすると、
成長率も加味すれば、
とんでもない割高株という感じではなかったとは思います。
富者の集中投資・貧者の分散投資(パンローリング社)の著者である
フレデリック・R・コブリックは米ハイテク株で大化け株を次々と取っていますが
彼も、株価を100倍にもするような偉大な会社の成長期においては
「(PEGレシオなどの)評価基準を緩めて、割高でも保有すべき」
と書いています。
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今なら、アマゾンやアリババ株はPER的にはずいぶん高く感じますが、
それでも、凄い成長率で、株価は右肩上がりですよね。
ヤフーファイナンス アマゾン10年チャート
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/chart/AMZN?ct=z&t=ay&q=c&l=off&z=m&p=m65,m130,s&a=v
昨日の記事にも書きましたが、
20世紀の日本市場は割高株が蔓延していて、
ファンダメンタルズに基づく投資がうまく機能していませんでしたので、
ソニーだけが特別というわけでもないのですが、
少なくとも、驚異的な成長力を持つ特別な企業については、
少々の割高水準は目をつぶるべきだという点については
覚えておいて損はないでしょう。
本日も、参考になりましたら、
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