誤解の多いソニー | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

昨日、ソニーの決算発表がありました。

昨年度実績については既に上方修正のIRが出ていましたので、

市場の興味は今年度の目標数字と昨年度実績の詳細に集中していました。

 

フタを開けてみた多くの方の印象は、

おそらく

「想像以上に良くなっている」

というものだったでしょう。

 

今年度目標の営業利益は5000億円ですが、

これはかなり保守的な目標であり、

過去最高益の5257億円越えも十分狙える状況です。

熊本地震級の天変地異や北朝鮮からミサイルが飛んでくるような大惨事が無い限り、

(これが無いとは言えないのが近年の傾向なので歯切れは悪くなるが・・・。)

「ソニー復活。過去最高益更新。」

の大見出しを見る日はそう遠くないと思います。

 

何だか十数年ぶりの優勝を目指すどこかのスポーツチームを応援している気分です。

 

さて、これまでは私がこの株を保有しているのを見て、

「とうとうエナフンも頭がおかしくなったんじゃないか?」

と思われた方もいらっしゃったのではないでしょうか?

 

①PERは割高で50倍以上。(決算発表がある度に予想純益は大きく変動した)

②自己資本比率は僅か15%でリスクは大きい。

③ソニー製品で欲しいものなんて何もないのに・・・。

 

これが当時の一般的なソニー評価だったと思います。

 

けど「それらは全て誤解だ」と気づいたんですね・・・。

 

平井社長が言っている2017年度の営業利益5000億円は十分狙えるし、

それ以上行く可能性の方が高い。

逆算すると、私が株を買った2400円前後は2年後予想PERで10~12倍。

この水準で今後も成長が期待できるソニーが買えるなら面白い!!

 

という判断です。

 

では順番に誤解を解いていきましょう。

①割高に見えるPER

これについては、次々と過去の膿を出し続けていた為、

一時的な減損や撤退損みたいなのが見た目の数字を悪くしていただけで、

実力ベースでは全然違う

という事です。

 

今回発表の昨年度実績も、

営業利益ベースで2887億円という発表でしたが、

映画や電池事業で巨額減損を出していますし、

熊本地震の影響もありました。

これらの一時的なマイナスを訂正すると、

昨年度実績ベースでもほとんど5000億円は達成できてるんですね。

 

下の表は、発表数字を元に、

100億円以上の一時的損失と一時的利益を加減算した実力ベースの営業利益です。

 

②自己資本比率15%

これも電機メーカーの自己資本比率としては極端に小さな値ですね。

けど、これも大きな誤解です。

この会社、ソニー損保やソニー生命といった金融子会社を抱えていますので、

バランスシートの大半は金融企業のそれなんですね。

第一生命の自己資本比率が6%くらいですから、

それとの比較ならずいぶんいいわけです。

ちょっと正確ではないのですが、概算で計算しても、

金融部門を除いた自己資本比率は30%前後です。

 

次の表は今回の決算発表で説明された現預金と借入金の残高を示したものですが、

ご覧の通り、ほぼほぼ実質無借金経営であり、資金状況は健全です。

 

③今時ソニー製品で欲しいものなんて何もない

確かに数年前まで、私もそう思い込んでいました。

ところが、ヨドバシカメラでソニー製品を見ていると、

いつの間にか、1番人気だらけになってるんですね。

プレイステーション4は海外では大人気ですし、

PSVRは未だに生産が全く追いついていません。

カメラ、ビデオカメラ、テレビ、ウォークマンもとても元気ですし、

音楽が聞ける電球、単焦点プロジェクター、

今度発売される「スマホのように投影画面で操作できるプロジェクター」等

他にはないユニークな商品が続々出てきます。

 

以下エクスペリア・タッチの説明(GetNavi)参照

https://getnavi.jp/digital/131680/

 

さらに、どの製品も売り切りで儲けようというのでなく、

ネットでコンテンツを販売したり、一つ買えば関連する付帯製品の購入を促進したりで、

次につなげる戦略が鮮明です。

 

それらのストーリーが見えてきたので、

当時、私は「買い」と判断したのです。

本日も、参考になりましたら、

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