パラダイムシフトと技術的限界 | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

2つ前の日経マネー6月号で対談記事が掲載されたことがあります。

 

この時、日経BP社さんから

「(企業の)成長が止まったのか。それとも踊り場なのか。その見極めはどのようにしているのでしょう?」

という質問を頂きました。

 

この時、私は技術的な成長という観点で2つの方向から質問に答えました。

 

1)技術革新の限界

2)パラダイムシフト

 

デジタルカメラを例に説明しますと、

 

1995年頃(ちょうどウィンドウズ95が発売された前後)あたりから、

量販店で普通に買えるようになったデジカメも、

当初はおもちゃレベルであり、まだまだアナログカメラにも優位性が残っていました。

 

しかし、デジカメの技術的な進化と、

パソコンを使って写真で説明する必要性が高まるにつれて、

デジタルカメラがアナログカメラを駆逐するようになりました。

 

結局、このパラダイムシフトにうまく乗れなかったコダックは倒産し、

富士フィルムは大胆な業態転換を迫られたのです。

 

逆にキャノンはこの技術変化をうまくとらえて大きく業績を伸ばしました。

年々画素数はあがり続け、すぐに前に買ったデジカメは時代遅れになりました。

 

 

ところが2008年のリーマンショック以降株価はさえません。

この理由は、身近な撮影はスマートフォンでやるというさらなるパラダイムシフトと、

デジカメ技術そのものの成熟にあると言えます。

(近年インスタグラムの流行に伴い、再び高性能デジカメの需要が伸びつつあるが…。)

 

身近なカメラ需要がコンパクトデジカメからスマホに移るという

次のパラダイムシフトを上手くとらえたのがソニーで、

現在、スマートフォンに搭載されるCMOSイメージセンサーの技術とシェアでは

世界トップクラスといえます。

 

このように既存技術の限界がどの辺にあるのか?

人々の考え方が根本的に変わるパラダイムシフトの兆候はないか?

(アナログカメラ→デジタルカメラ→スマートフォンみたいな話)

 

が、成長の限界を知る上での重要なポイントであるとともに

次の成長株投資のカギを握っていると言えるのです。

  

 

先週はAI展とVR展が同時開催されていたので、

金曜日にビッグサイトに行っていたのですが、

正直、AIもVR(AR・MRも含む)もビジネスとしてはまだまだ・・・。

という印象を受けました。

 

この「まだまだ」をネガティブにとらえるのか、チャンスととらえるのか?

 

ここに違いが出てくると考えています。

ただし、新技術をあまりに早く買いすぎるのもうまくありません。

 

(小型株が巨大企業との技術提携を発表したとたんに仕手株化し、

その後、収益的にはどれほども見込めないことが判明して大暴落みたいな話はいくらでもある。)

 

ピーター・リンチは、その事業分野で利益が出始めてから買っても、

十分間に合うと教えてくれます。

 

プレーステーションVRあたりは、

ちょうど、いい加減だと個人的には思っています。 

 

 

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