【高松宮記念】
『傾向』
当レース例年の時計傾向は以下の通り。
2016 01:06.7 32.7-34.0
2015 01:08.5 34.0-34.5
2014 01:12.2 34.5-37.7
2013 01:08.1 34.3-33.8
2012 01:10.3 34.5-35.8

“時計が掛る”というのは、このレースの一つのテーマ。
昨年こそ驚異的なペースで、圧倒的な時計を記録したがそれまでの高松宮記念とは言えばペースもそれほど速くなく、決して時計も速くない。故に逃げ、先行vs差しの構図は割と対等であり、差し馬でも十二分に勝負になる数少ないスプリントレース。
高松宮記念2017予想


意外にも東京マイルとの親和性も十分。ミッキーアイル、ストレイトガール、アルビアーノらが東京マイルの実績を残していることを考えると、マイルへの造詣も理解を深めたいところ。

過去成績で[4.5.4.39]と最重要ステップである位置付けの阪急杯は、当レースで行われる中京と非常によく似たコース形態。しかし今年の阪急杯は人気馬総崩れで差し馬の台頭で、そのレベルの高さは疑うべきものとなった。

今年の高松宮記念は一筋縄ではいかない、という印象で三連系に手を出すなら覚悟が必要だろう。
手広く、浅く、軸馬の選定はいつも以上に慎重にというコンセプトで馬券攻略を推奨したい。


『結論◎セイウンコウセイ』
例年、阪急杯のペースがそのまま高松宮記念とリンクするために、そこで好走した実績馬は素直に信頼できるはずだった。しかし、今年台頭してきたトーキングドラム、ヒルノデイバローは条件戦、OPで揉まれて展開利を得てようやく結果を出せた新興勢力。
となれば、この阪急杯好走馬はGⅠではまだまだ敷居が高いと見るのが妥当だろう。

そこで当方が注目すべきレースに挙げたいのはシルクロードS。
例年速い時計で差が出にくいために、逃げ先行馬優勢になりがちだが今年に限っては別。
例年よりも余裕のあるラップで、時計的にも差し馬でも差せる構成。そこで二年連続優勝を成し遂げたダンスディレクターは流石だが、これは昨年よりも展開に恵まれたと見るべきだろう。

“スロー故に先行馬有利”ではなく、“スロー故に差し馬にもチャンスあり”という解釈。
スプリントの時計の限界は決めっており、他の距離よりも明らかにそれはシビア。そこでそのシビアな限界を打ち破って新しい時計を作ろうというのは、歴史を作る馬か、あるいはスプリントの頂点に立てる器というべきもの。
セイウンコウセイ高松宮記念2017


ここで注視したいのは、字面上はイーブンラップで先行有利な展開で敗れたという事実よりも、単にキレに屈したスプリントらしくないレースを想像するべきだと提唱してみたい。

上がり馬で、実績に関しては前走の重賞でようやく2着がある程度。
しかしながらこのレースでセイウンコウセイの先行力、及びその粘りを当方は高く評価したい。
この馬のスタートしてからスッとつけるスピード、先行力はGⅠクラス。そこから先がピリッとしない故にここまで出世は遅れたが、近走は後半も渋とい一面を見せている。
事実、前走は不利な展開でダンスディレクターの持つ強烈な決め手にも最後まで抵抗して見せたように、重賞実績馬相手でもヒケを取らない。

ラップタイムから見るに、この馬は昨年の渡月橋S以降は全くの別馬。
大敗した白秋Sで先行馬不利で道中も緩まなかったレースラップを経験して以降、スプリントでの先行に目覚めた節がある。あのレースが一つのターニングポイントで、あの大敗がそれ以降のキャリアを変えたと言って良い。

ここまで条件戦からトントンと出世街道を歩んでいるものの、まだまだ実績不足。それに加えて調教師から血統から騎手から何から何まで地味で評価が低いのも頷けるというもの。しかしその内実は、時計の裏付けがある先行馬で、実績はなくとも実力は確かなスプリンター。

そもそも、今年のメンバーで必要なものは実績ではなく能力の裏付け。例年なら歯牙にもかけない馬でも、今年は一転評価しなければならない事情もある。
今年のメンバーならセイウンコウセイレベルの安定した先行力のある馬はいないし、強烈な決め手のある馬たちも順調なキャリアを経て参戦するわけでもなく、ここは大きなチャンスと見て良い。

本命はセイウンコウセイ。
実績はないが、実力は確か。時計の裏付け十分の近走の走りからこの馬の実力を高く評価し、スプリント界の新星登場に期待したい。


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