写真=ロイター
最終予選ではサウジに0-1で敗れ、後味の悪さを残したものの、無事に2018年ロシアワールドカップへの出場を勝ち取ったハリルジャパン。だが、歓喜に包まれる反面、サッカー界の知識人たちからは現状を危惧する声が少なくない。
現在の日本代表は、まさに世代交代の真っ只中である。オーストラリア戦で豪快ミドルを決めた井手口や、本田の定位置を奪った久保、代表で結果を出す浅野、彼ら新世代組の活躍は明らかである。
そんな中、サウジ戦で起用された本田のパフォーマンスはお世辞にもよかったとは言えないものだった。イージーミスを連発し、決定機も作れず、連携も取れていなかった。そんな本田には批判が集中し、代表には必要ないとの声も挙がっている。しかし、そんな批判に対し本田はこうコメントしている。
Just arrived in Pachuca.
— KeisukeHonda(本田圭佑) (@kskgroup2017) September 7, 2017
サッカーファンの皆さん、メディアの皆さん、「もう代表に必要ない」とか他にも厳しい声をありがとうございます。
年明けてからの半年間が何よりも重要なのは何度も言ってるが、良い感じで舞台は整ってると思ってます。
ありがとう。
なんとも意味深なコメントだが、本田らしいコメントである。本選開催までにパチューカでどのような活躍をするのかで、自身おそらく最後のW杯への出場が大きく関わっていることは重々承知だろう。ミランで失った“試合勘”をメキシコの地で取り戻し、また、本来の本田となってW杯に来てくれることを願いたい。
さて、ハリル監督についてだが、その戦術のぶれはやはり気になるところである。そのブレが顕著に現れたのがW杯出場を決めたオーストラリア戦であり、結果だけを見れば2-0だが、W杯本選を見据えるのならば素直に喜べない内容でもあった。
本来、パスを細かく繋ぎ相手を動かすサッカーを目指している日本だが、オーストラリア戦では蹴るサッカーに傾いているように見えた。逆に、本来蹴るサッカーをするはずのオーストラリアが、繋がらないながらも最後までパスサッカーを貫こうとしていた。
試合後、会見を行なった豪代表監督は、「オーストラリアのサッカーを変えていく、批判されようとも報われるときが来る」といった主旨のコメントを残している。
おそらく、W杯予選を突破することだけではなく、もっと長い目で、オーストラリアのサッカーを世界に通用するもの改革していこうとしているのだろう。つまり、アジア予選では相手が小柄なため「“蹴るサッカー”」が通用するが、W杯本選では互角の体格の国がごろごろいる。そこで蹴るサッカーをやっても、アジア予選のようにはいかない。
監督は成績が命。しかし、叩かれることを重々承知で、長い時間をかけてオーストラリアのサッカーを変えていこうとするオーストラリアの監督には頭が下がる思いだ。
そんなオーストラリアと戦ったからこそ、ハリル監督のサッカー、日本の目指すサッカーがぶれているのではないかという声が多く挙がるのだろう。開幕まで約8ヶ月、ハリルジャパンがぶれずに貫いてくれることに期待したい。
さて、最後に今後のワールドカップの予定をご紹介しよう。
まず、全出場国が出揃うのは今年の11月、プレーオフを終えてからだ。
以降は、
グループステージ(開幕):2018年6月14日~28日
決勝トーナメント:2018年6月30日~
決勝:2018年7月15日
となっている。