コインチェック事件の全容と仮想通貨が持つリスクを解説します
最終更新日: 2018-1-27
仮想通貨取引所「coincheck」が流出被害に
もう既にニュースやネットで知っている方がほとんどだと思います。
1月26日(金)日本の仮想通貨取引所である「coincheck」から約580億円分のNEM(ネム)が不正アクセスにより流出しました。
1月26日(金)に開かれたコインチェックの謝罪会見
これにより現在はNEMのみならず、日本円を含め全ての取り扱い通貨で出金停止となっています。またビットコイン以外の仮想通貨の売買が全てストップされています。
不正アクセス=ハッキングと見てよいと思います。約5億2,300万NEMなので、コインチェックが保有しているユーザーのNEMがほぼ全て盗まれてしまったことになります。
2014年に当時世界最大だった仮想通貨取引所であるマウントゴックスが、同じようにビットコインをほぼ消失させたのは皆さんの記憶にも残っているはずです。
その後マウントゴックスは、経営破綻となりました。今回はそれを上回る規模の被害額になります(´×ω×`)
今回のコインチェック事件を時系列で確認
ネットやtwitterを見てると情報が錯そうしているように見えますので、今回の事件の流れを確認しておきます。
- 1月26日 2:57 コインチェックが保有するNEMが不正に外部へ送金される
- 1月26日 11:25 コインチェックが異常を検知
- 1月26日 12:07 コインチェックでのNEMの入金が停止
- 1月26日 12:38 コインチェックでのNEMの売買が停止
- 1月26日 12:52 コインチェックでのNEMの出金が停止
- 1月26日 16:33 円を含めて全ての仮想通貨で出勤停止
- 1月26日 17:23 ビットコイン以外の売買停止
- 1月26日 17:23 クレジットカード、ペイジー、コンビニ入金の一時停止
- 1月26日 23:30 東京証券取引所で緊急謝罪会見
ここまでとなっています。今のところ復旧の目途は立っていません。
記事を書いている間に「Coincheck payment」のビットコイン決済サービスも停止とコインチェックが発表したようです。取引ではなく、ネット通販などで使われている決済の方の利用ですね。
コインチェックからの補償はあるの?仮想通貨は戻ってくるの?
FXではもしもFX会社が破綻してしまった場合、信託保全というシステムが存在します。
これは国から義務付けられている制度で「一部信託保全」と「完全信託保全」に分かれますが、顧客のもつ証拠金を分別して管理することによって万が一のことが起きても顧客に元本の返却ができるシステムです。
では仮想通貨取引所の場合は、どうなのでしょうか?昨日の記者会見の様子から抜粋しました。
現在検討中とありますが、流出した仮想通貨約580億円分の補てんは現実問題難しそうです。
また問題なのは、仮想通貨取引業者として国に登録されていない点です。これは国からの補償がなにも期待できないことを意味しています。
仮想通貨は、外部からの不正操作や保障の環境が整っていない点がありました。取引所が万が一潰れたとしても、仮想通貨が守られるようにウォレットを準備したり自己でセキュリティを高める必要性があったということです。
ハードウェアウォレットに移してネットから切り離しておくことが大事
最大の問題点はコールドウォレットではなかった点
コインチェックは「顧客の資産の大部分はコールドウォレットで管理している」と説明してました。
しかし、実際は数百億円規模のXEMを「ホットウォレット」で管理していました。今回の最大の問題はここです。
コールドウォレットがネットワークから隔離された環境で保有、ホットウォレットが常時ネットワークに接続された環境にあるウォレットのことです。
今後のコインチェックに考えられる可能性
まず先に「もしも」の場合を考えなければいけません。FXもそうですが、もしもFX会社が破綻したらどうするのか?過去、日本のFX会社でも実際に破綻したFX会社がありました。
2007年の「札幌FX」の倒産が一番有名だと思います。これによりFX会社に信託保全が義務付けられました。
時代の過程で見れば、こうして事件が起きることによって法律が整備されていきます。そういう点では、仮想通貨はまだまだこれからな訳ですね。
取引所と仮想通貨自体の脆弱性は別問題
コインチェックに資産を持っていた人は、いち早く「出金したい」「ウォレットに移動させたい」と思っているはずです。
しかし今回コインチェックからNEMが盗まれたセキュリティの問題と仮想通貨自体の脆弱性の問題は、全くの別問題なんですよね。
マウントゴックスの時も誰があのあとビットコインが200万円を突破すると予想でしたでしょうか?
また現在ネム財団などが動いて、盗まれたNEMを戻るように尽力しています。
It's unfortunate that coincheck got hacked. But we are doing everything we can to help. https://t.co/AH3lEDDG71
— Lon Wong (@2017Lon) 2018年1月26日
NEM財団のウォン理事長も「コインチェックのために、あらゆる手を尽くす」とツイートしました。
さらに現在twitterでは、RIN,MIZUNASHI(JK17)(@minarin_)さんというホワイトハッカーが、流出したNEMを特定したとの話で盛り上がっています。
NEM財団が、流出資金自動追跡プログラムの作成を開始しました。
— Rin, MIZUNASHI (JK17) (@minarin_) 2018年1月26日
その完成を待ち引き継ぎを行い、作業終了とさせていただきます。
それまでは、こちらで追尾を続けます。
ホワイトハッカーとは、善良な目的のためにハッキング技術を活かすハッカーのことです(✻´ν`✻)
そういう私もひとごとではないので、良い方向に進展してくれることを心から祈っています(´;ω;`)
この記事を読んだ人はこちらも読んでいます
私がメインで使うDMMFX!条件達成でキャッシュバック中(PR)
コメント (10)
-
1. 匿名
ついこの前ブログで紹介してたのに信じられないですね。。。(>_<)
-
2. メイ
本当ですよね…(´;ω;`)
コインチェックにも落ち度はありますが、これで仮想通貨自体の評価が下がって一般の人に対してのイメージも下がってしまうのが悲しいです。 -
3. ひろたか
ビットコイン買いたいって思ってたのでこのニュース怖いですΣ(゚Д゚)お金コインチェック返せるんですかね(?_?)
-
4. 匿名2号
仮想の通貨が盗めるって概念がわからん…。
例えるなら、パスモに入れてた電子マネーがある日0になったってこと?
現実にお金が動くリアルマネーならわかるけど、電子マネーの仮想通貨ならただデータ復元してノーカンにするんじゃだめなんですか?
-
5. 匿名
この人たち手数料で相当儲けてるでしょう?取引量からざっくり計算して、ざっくりモロ×2運営費を引いていったとしても、、、。
4、500億の返金なんて余裕では?『自己資金で返します』はリアルな発言ではないかと思っています。
もし返済能力なかったとしても、買収という形でどこか救済して下さる企業が出てくるかもしれませんし、、。
それよりこの社長さん、道で倒れられている女性の方を『ホームレスだった心配して損した』とかツイートしてたらしいじゃないですか笑
こういう人は今こそ自分がホームレスになってドン底から人生勉強するべきじゃないかなって思います。まだ若いですしね。
彼のこの心無い話を聞いて私はこの会社とこの人たちを今後絶対に使うまいと心に決めましたよ。
-
6. 匿名
トータルで100億ぐらいの、引出しがあった場合にアラートが出る仕組みぐらい無かったのかな。
-
7. メイ
コメントありがとうございます!(๑´ω`๑)♡
>ひろたかさん
NEM(ネム)は全額返金すると公表していますが、その時期などは未定になってるんですよね。最悪返ってこない可能性もあります。
>匿名2号さん
パスモに例えるとちょっと難しいですが、パスモAからパスモBに中身をごっそり移動させたということですね。(実際にできるできないは別として)
その事実がある限り、それを所有者以外の権限では動かせないんです。リアルマネーだった場合、銀行などの誤送金で他人の口座に入ってしまったら法的に戻すことが可能ですよね。
仮想通貨の場合は、そういった法もまだしっかりと定められていないことが問題にもなっています。 -
8. メイ
コメントありがとうございます!(๑´ω`๑)♡
>5.匿名さん
私もさすがに返せないお金を「現金で」と公表しないと信じています。取引停止時の値段ですしね。
社長さんはネットでもかなりやり玉に上げられていますね…。使う使わないは別としても、今後の対応はきちんとしてもらいたいですね><
>6.匿名さん
推測ですが、あったと思いますよ!
ただその後の色々な情報が出てきてわかったことですが、セキュリティーはかなりザルだったようで…ずさんな体系をピンポイントで狙われた見たいですね(´;ω;`) -
9. 匿名2号
分かりやすい回答ありがとうございます!
盗まれたネムはほぼ追跡できたみたいですね!
リアルマネーだと他人の口座に移したりして資金洗浄できますが、タグがついたネット上の通貨だと履歴が全部残るから、追跡ができたってのは仮想通貨ならではですね~。
まぁでも、仮想通貨は法規制が整ってからでいいかなw
-
10. メイ
>匿名2号さん
それも1つの答えだと思います!
FXの最初も色々と問題を抱えながら法が整い、今に至りますからね(✻´ν`✻)
これからに期待しましょう(๑´ω`๑)♡