市場予想よりもタカ派的にならず円高に動いた2018年3月FOMC声明まとめ
最終更新日: 2018-3-23
利上げ回数は結果として3回のまま
3月20日(火)・21日(水)にてFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されました。
今回話題となっていた今年の利上げ回数について、パウエルFRB(米連邦準備制度)議長は「慎重に検討する」と発言しました。
現行の年3回から4回に増やすかどうか?について「決定は下していない」とも述べましたが、市場では悲観的に捉えられ円高に動きましたね。
ついに105円を割って104円台に突入してしまいました(´×ω×`)
では、今回のFOMCでの声明をおさらいながら今後のドル円相場を考えてみましょう!
2018年3月FOMC結果まとめ
- フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.25~1.50%から1.50~1.75%へ引き上げ
- 2018年の利上げはあと2回、合計3回を予定しているが決定ではない
- 2019年の利上げは3回、2020年は2回を予定している
- 目標2%のインフレ率は上向くとの判断から声明では「経済見通しはここ数カ月で強まった」とした
正直タカ派・ハト派どちらとも受け取れる内容でした。
パウエル議長は、2018年の利上げ回数を4回に増やす道を残しつつも当初の予定通り3回と発言しましたね。
実際このニュースを取り上げたメディアも、これをタカ派的ととるか?ハト派的ととるか?各メディアによって判断が分かれています。
しかしながら市場は、ハト派的と捉えたためドル円相場は円高に動いた訳ですね。
パウエル議長が議会証言ではタカ派だったことも裏目に
2月末に行われた議会証言でパウエル議長が「さらなる利上げが最善策」と述べ、タカ派的な姿勢を見せていたことも裏目に出ました。
パウエル議長、初の議会証言についてはこちら↓
「現状維持でもマイナス要因として市場は捉えるかもしれません」と先週末の記事に書いていましたが、利上げ回数の増加が期待されていただけにドルにとっては厳しい反応となりましたね(´×ω×`)
追加利上げがあるとすれば6月・9月・12月
ではFOMCの声明通り残り2回の利上げがあるとすれば、どのタイミングで行うのでしょうか?
CMEグループのFF金利先物「FedWatch Tool」を見てみましょう!
Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool
今回のFOMCでの年3回予測が色濃く反映されているように感じます。
6月のFOMCでは8割近く利上げが予想されているものの、残る1回は9月か12月か?ですね( ・`ω・´)キリッ
段階的に利上げしていくので12月に関しては予測がまだ曖昧ですが6月・9月と利上げが行われた場合、まだ年4回の道も残っていると言えます。
今度も円高が継続する可能性
FOMCの影響もありますがドル円相場は、米中貿易摩擦も円高要因の1つです。
また今朝の急落は、トランプ大統領がマクマスター大統領補佐官を解任したことも要因として含まれます。またツイッターで発表しました(´×ω×`)
ティラーソン氏に続いて解任となったマクマスター大統領補佐官
日経平均株価も本日1,000円近い下げを見せているので、逆にいえば円安要因が見当たらないですね(´×ω×`)
一時1,000円を超える大幅安となった3月23日の日経平均株価
現状104円台後半で何とか耐えている状態ですが、この後のNYダウの動きやNY市場でのドル円相場の動きには十分注意しましょう!