昨日は私の本の発売日でした。気になって、丸の内の丸善を覗くとこんな感じでレジ前に並べていただいておりました。
さて、この絵のように1000円で買って2000円でその株が売れたとして、あなたは嬉しいでしょうか?悲しいでしょうか?
当然、2倍高なら誰でも嬉しいですよね。
けど、それがこういう展開だったらどうでしょう?
(A)
一度3000円の天井を見たあと、ダラ下がりで2000円で売ったとしたら、あなたは2倍も儲かっているのに強い敗北感を味わうことでしょう。ええ、私も何度もこういう体験をしています。
けど後で振り返ればこの程度の下げで売り抜けたなら、マズマズと言えるんですね。明らかにファンダメンタルズがおかしいなら、サッサと売るのが正解です。
もちろん、次のような売り方が出来れば満足度は最高ですが、
(B)
結果はどちらも2倍高です。
本当に残念なのはこんなパターンです。
(C)
売ったあと、さらにガンガン上がってしまうパターンです。割安成長株投資で避けたいのはコレですね。けど、心理的な負担は実は(A)より小さいかもしれません。なぜなら、売ったあとはその株の株価なんて見なければ良いわけですから。
(A)はそういうわけに行きませんよね。持っている限りは自分の保有株の株価は気になり続けます。天井を見て下げを見続けた挙げ句の苦渋の決断です。
本当は(C)こそ避けるべき痛恨の売りで、(A)は、その時点では最善手なのですが。
旧日本軍がインパール作戦の失敗をなかなか認められず大敗北を喫したのと同じように、失敗を認めたくない心理的な負担が決断をどんどん遅らせます。
けど、(A)も(B)も(C)も同じ2倍高。あなたは同じ期間に同じだけ利益を上げたわけです。
失敗を認めるときは、そんな割り切り力が必要です。
ただし、なんの判断も入れない機械的な損切には私は懐疑的です。今のボラティリティの高い相場では機械的な損切は単なるターゲットとなっていて、ただの日常の変動で何度も売らされてしまう可能性が高く、(C)を何度も体験させられると思うのです。