労働デフレ 資源・エネルギーインフレ | エナフンさんの梨の木

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ピーターリンチをお手本とした初心者でもできる長期投資法を日々研鑽しています。

国際化、特に労働賃金の低い中国の影響と、機械化、デジタル化、規模の拡大といった経営合理化によって、生産コストが劇的に下がってきたこと。

更には、その2つの下げ圧力を受け、日本の労働賃金が低く抑えられてきたこと。の2つの要因を受けて、長くデフレが続いています。


今後はAIやネット技術の普及によって、より頭脳労働的な職業も、同じような目に合うことでしょう(一部では既にそれが始まっている)。

この構造的なデフレ要因がにわかに改善するとは思えません。




一方で、では、何故インフレが危惧されているのか?
と言われると大きくは3つの要因が考えられます。

①世界人口の拡大と新興国の勃興

中国やインドといった新興国が先進国並みの生活水準を求める結果として、次第に資源が不足していく。



②脱炭素革命
大気中の温暖化ガス抑制の観点から、これまで経済発展を支えてきた石油や石炭の利用を抑える動きが加速し、電力を中心としたエネルギー供給が不安定化していく。

③コロナ
度重なるコロナの感染拡大によって、世界のあちこちで工場の操業が落ちたり、物流が滞ったりで、供給不足が発生している。
また、コロナで抑えられていた消費がここへ来て急回復している。

③コロナについてはそのうちおさまるか、人類が対処法を会得するか、いずれにせよ、次第に克服されるでしょう。

けど、①②については、そうは簡単ではありません。

豊かさを求める人が増えつづけて需要は高まるのに、脱炭素を理由に生産が落ち込んでくると、必然的にインフレとなるでしょう。


このように考えると、長期的には労働市場を中心にデフレ、資源・エネルギー市場を中心にインフレ、という二重構造が見えてきます。



(つづく)