インフレへの対抗策。投資家は天井で買って底で売る

「ウォール街のランダム・ウォーカー」で有名なバートン・マルキールさん、 「敗者のゲーム」で有名なチャールズ・エリスさんの2大巨匠がタッグを組んだ「投資の大原則 第2版  人生を豊かにするためのヒント(2018)」を読みました。

内容的には上記の代表作と特に代わり映えはしませんでしたが、細かい理論の話を割愛する代わりに、「どの銘柄に、どの位の割合で投資をすべし!」という具体的な方法論を2時間くらいで読める程度にまとめてある読みやすい本でした。

例によって個人的に気になった部分だけをまとめます。

 

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 インフレへの対抗策 

インフレが進行する時には、不動産や森林、石油と言った、いわゆるコモディティへの投資は製造業の株式よりインフレヘッジの効果がある。その時、製造業では素材価格の上昇で製造原価が上がり、利益率が下がるからだ。

だから、不動産やコモディティに投資することは、長期的に見れば分散投資として有効だ。金や金鉱会社は分散投資の選択肢の一つとしてユニークな役割を果たす。世の中が不安定になったり危機に陥った時、投資家は金への投資で難を逃れてきた。金はしばしば天変地異に供えるリスクヘッジ手段といわれている。

 

 アメリカへの投資にオススメの銘柄 

アメリカの膨大な投資信託や ETF の中で最も有名なのは大企業株を対象としたスS&P500インデックス・ファンドだが、私達は中小企業株をも含むラッセル3000インデックス・ファンドやダウ・ジョーンズ・ウィルシャー5000インデックス・ファンド勧めたい。これらの広範囲の株を買うファンドは、「全市場型インデックス・ファンド」と言われている。80年以上にわたる株式市場の実績を見ると、小型株は大型株中心の S&P500より高いリターンを上げている。中小企業は当然、経済状況が大企業と比べて安定せず、倒産の危険性も高いが、平均的に見れば将来大きく成長する可能性も高い。全市場型インデックス・ファンドは長期の経済成長の恩恵を得るにはより良い方法である。

 

 多くの投資家は天井で買って底で売る 

図表7は、株式投資信託へ流れた資金と株式相場の動きを重ね合わせたものだ。グラフを見れば一目瞭然、株価が高い時に資金が投資に流れている。投資家は最悪の時期に株式投資信託に投資している。

 

 

 

株式市場の平均リターンを見ると、長期的には9.5%ある。しかしこのリターンは、あくまで株を長期保有し、どんなことがあろうとも持ち続けた時に得られる平均リターンなのだ。平均的投資家のリターンは、この数字よりもなんと2ポイント、およそ1/4も下回る。このリターンの低さは、一般的に投資家が最高値に近いところで買い、最安値に近いところで売るという傾向があるからだ。

 

 Tochiの勝手な感想 

VT(トータルワールドストック)の様な全世界型投資が一番のオススメで、米国であればVOO(S&P500)よりもVTI(小型含む)がオススメとのことだった。

例によって債権を高比率で入れることをやたら勧めているのは、この低金利化しつつあるご時世を踏まえると個人的には全く賛同できないが、代替案として高配当やリートETFなどでも良いとの提案が新たに追加されていた。こちらの方が今の時代には合っているように思えた。

 

インフレヘッジは気になるテーマだ。

10~20年後の日本は、少子化と日本売りの円安による不況下のコストプッシュインフレ(スタグフレーション)が常態化している可能性が少なからずある様に思える。

とは言え、もし仮想通貨が決済に使われるようになれば、金への特別扱いは剥離しかねないし、人口減少が始まっている日本では不動産がヘッジになるとも考えにくい。石油だって代替エネルギーにいつ主役を奪われてもおかしくない様な状況だ。

結局、参考にはするにせよ、あくまで過去は過去として捉え、これからのことは出たとこ勝負である程度のリスクを取って自分で判断していかないといけないと言うことなのだろう。

コメント

  1. とおりすがり より:

    > 多くの投資家は天井で買って底で売る
    にわとりと卵でしょう。
    多くの投資家が買ったから天井
    多くの投資家が売ったから底
    これをまじめに言ってるとしたらかなり頭悪いですね。

    • Tochi より:

      >にわとりと卵でしょう。
      なる程、買ってる人が多いから上がっただけ、売ってる人が多いから下がっているだけなので、そう言われれば妙な理屈ですね。
      思いっきり騙されました!ご指摘ありがとうございます。