トリプルアイズが再び新規承認されて注目される「いちよし証券」ですが、IPOの取扱は2022年末を目途に撤退を予定しまいます。

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いちよし証券は主幹事実績でも結構上位に位置しますので、そこがIPO撤退は結構衝撃かも知れません。

トリプルアイズ(5026)のIPO新規上場情報

なお、2022年はトリプルアイズで最初のIPOとなっていますが、ここ2年は4~5件主幹事を扱っていますので、今年後2~3件程度主幹事としてIPOと取り扱ったら終わりかも知れません。

いちよし証券のIPOの特徴は

  • 他のIPOと被りにくい時期に登場
  • 主幹事として出すIPO案件は面白いものが多い
  • 裁量配分の傾向が強く、ネット抽選派、平等抽選派にとっては厳しい

といったところがありました。どちらかというと裁量色が強くIPOが出てきてもいちよし証券が主幹事だと「どうせ貰えないし」とハナから諦め気味になる人が多かったかも知れません。

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個人的にかなり気になったのは「引受業務取りやめのお知らせ」の中にあった内容で、IPOなどの取扱業務の収益がいちよし証券では全体の3%にも満たない程度だったということです。

主幹事案件をそこそこ用意していたいちよし証券ですら、IPOで儲からないとなると中堅どころの証券会社がIPOを出してきた時に、そりゃ儲けようとして想定価格を少しでも上につけて投資家に高値で売りたいと感じると思います。

もう少しIPO全体で「発行会社」「取次会社(証券会社)」「投資家」の3者がWin-Winの形で好循環してくれないと、IPOが尻窄みに沈んでいく可能性を感じます。

基本、IPOを追っかけていくと、業務内容が新味性があって成長性も感じる事業が多いので評価していても面白いです。それが私がIPOの魅力に取り憑かれた部分だと思いますので、今後多くの方が参加したくなる魅力のあるIPO市場形成を業界全体でお願いしたいですね。

「公開価格が不当に高すぎる?」なんてことを言っている自体ではない気がしました。

証券会社別のIPO割当、幹事実績年別グラフ

資産運用の助言に重きをおいている証券会社はIPOから離れていく傾向が多くなっていますが、一方でネット証券側は積極的にIPOの取扱を増やそうとしているところもあります。

松井証券楽天証券マネックス証券はバックボーンの動きを見てもその流れが顕著ですので、ネット抽選派、公募平等抽選派にとっては悪くない動きかもしれません。ただ、ネット証券がIPOの取扱でしっかり利益が出る環境も大切かなと感じました。