6月の野村vs日興。野村證券から4つ目のIPOは「M&A x AI」という不思議な業種になりました。どちらも成長著しい事業ですね。

M&A総合研究所(9552)のIPO新規上場情報

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M&Aマッチングプラットフォームというのがビジネスですが、2021年にPKSHA Technologyと業務提携しており、AIの力を利用してマッチングを加速する感じでしょうか?そのため株主にパークシャが入っていますね。

想定価格は1,210円。主幹事は野村證券です。
吸収金額が想定価格ベースで22.7億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

ホームページ上では「M&A x AI」と華々しくアピールしていますが、提携してようやくAI機能も少し取り込んでいるところでしょうから、現状ではM&Aでの今までの優位性が意識されそうです。「M&A」も高齢化社会による後継者不足によって、かなり需要のある分野でIPOで増えてきています。その中で競合企業も増えており、AIなど技術的分野での差をつけることで競合との勝負になっていますね。不動産でもAIを入れて不動産テック(相場分析など)と称したりもしていて、どの分野でもAIが活躍しそうですね。

目論見書には3つの優位性が載っています。

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1つ目の「完全成功報酬制」の料金体系はコスト勝負の部分。M&A系の企業も増えたことで、コスト優位を掲げるにはこういった料金体系にしないと勝負にならなくなってきていそうです。

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2つ目はDX化やAI活用、今までの蓄積されたデータからの優位性です。「M&A」はどちらかというとアドバイザリーの経験と知恵が多くを占めそうですが、それらが蓄積されたデータになればAI活用の目途が立ちそうです。

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その上で結局人材重視のM&A事業です。事業を高回転させることで人材育成にもスピード感があるというのが特徴のようです。

そういった諸々の施策からM&A仲介業務としては後発にみえる2018年設立の会社ですが、急成長して一気に上場までこぎつけました。

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業績グラフを見ても頼もしい状況です。M&A自体は市場予測的に今後も必要とされる場面が増えると思いますので、他者との戦いに勝つにはコスト減と技術力に掛かってきそうですね。

第一印象的には悪くないIPOという気がします。野村證券主幹事で手堅くスタートして欲しいところです。

野村證券主幹事は6月に4社の主幹事となっています。久々に数が多く感じますがビジネス的に儲かりそうな会社は野村は強い気がしますね。

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