委託証拠金率と追証までの下落余裕率の関係 | エナフンさんの梨の木

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先日、委託証拠金率と追証までの下落余裕率について、記事にしようとしたのですが、計算を間違えてしまいました。(記事は削除)

 

で、なんで、そんなことになったのか、という話ですが、要は、現金を委託証拠金として拠出し、信用取引をする場合と、保有株を代用有価証券として信用取引する場合とでは、同じ委託証拠金率でも、追証までの下落率に差があるという話でした。(つまり、計算式も二つ用意する必要がある)

 

例えば、委託証拠金率50%というのは、建玉の総額に対して証拠金が50%の状態、逆に言うと、証拠金の2倍分買い建てている状態を指します。

 

その状態から、仮に株価が25%下がったとすると、

証拠金は、下落率の2倍のスピードで減少し、50%を失うことになります。

 

ところが、その計算は現金を委託証拠金とした場合の話であって、保有株を代用有価証券とし、同じ株を2倍積み上げて、証拠金率が50%となっている場合、

建玉の下落に加えて、証拠金自体も減少するため、実質、3倍のレバレッジを掛けていることになります。

つまり、同じ証拠金率50%でも、証拠金が、現金と代用有価証券とでは、レバレッジの大きさが異なるわけです。

 

で、そこを整理して求めた委託証拠金率と追証までの下落余裕率の関係は次のようになります。

 

 

①現金を委託証拠金とした場合

追証までの下落余裕率=委託証拠金率ー追証ライン

 

②保有株を代用有価証券とした場合

追証までの下落余裕率=(委託証拠金率ー追証ライン)/(委託証拠金率+1)

 

※ただし、追証ラインとは最低委託証拠金率のこと

 

 

①のケースですと、例えば、現金100万円を委託証拠金として、200万円分を買い建てた場合、委託証拠金率は50%となります。追証ライン(最低委託証拠金率)が20%の場合であれば、

 

追証までの下落余裕率=50%20%=30%

 

つまり、あと30%の下落までは追証が発生しません。

 

一方、②のケースであれば、例えば、時価125万円の株(掛目80%で100万円分が計算上の証拠金)を担保に、200万円分買い建てた場合、委託証拠金率は同じく50%となりますが、レバレッジが異なるために分母に1を加えて

 

追証までの下落余裕率=(50%20%)/(50%+1)=0.3/1.5=20%

 

となります。

 

表にまとめると以下のようになります。

ちなみに、表の現金の委託証拠金率が100%を超えているところですが、建玉以上に現金を保有しているわけですから、どれだけ下がっても追証は発生しません。(っていうか、「だったら、現物買えよ、金利分損やろ」って話です…。)

 

一方で、株を担保に信用張ってる限りは、たとえ委託証拠金率が100%を超えて、一見、余裕がありそうに見えても、半値近く下落すると、追証が発生するわけです。

 

この辺が株を担保に信用取引する場合の怖い部分ですね…。