引退式の日に田中勝春騎手（52）が中山1R・2Rを連勝 4年1カ月ぶりの1日2勝

田中勝騎手、連勝でカッチースマイル「記憶にないよ」４年１カ月ぶりの１日２勝マーク２８日の中山１、２Ｒは、この日で騎手を引退して調教師に転身する田中勝（５２＝美浦・フリー）が連勝した。１Ｒは１番人気のスピードパンサー（牡２・尾形）で逃げ切り、２Ｒは５番人気のマッスルバック（牡２・鹿戸）で差し切り勝ち。３Ｒも４番人気のロンフォン（牝２・久保田）で３着に入り、朝イチから３戦連続で馬券に絡んでみせた。

波に乗る田中勝は絶口調。２Ｒ終了後にはカッチースマイルを浮かべつつ「俺、調教師免許返すよ。もうちょっと早く乗せてくれたらなあ。怖いね、連勝は記憶にないよ」と思わず〝本音〟を吐く場面も。マッスルバックについては「ダート替わりで走ってくれた。手応えがすごかったね。あれなら誰が乗っても勝てる」と謙遜したが、引退直前になっても腕が落ちていないのは、誰が見ても明らかだった。

最終の１２Ｒ・ファイナルＳでは、ブランデーロック（牡４・小桧山）に騎乗する。ベテランが最後までどんな競馬をするのか。ファンならずとも目に焼き付けたい。

レース後インタビューしようと記者が行くと
田中勝春はずーっと顔を洗っている
いつまでも、いつまでも

ようやく洗い終え、こちらを向いた田中勝春の目は
泣きはらした後のように真っ赤だった