楽天証券はIPOでは公平な抽選が売りとなっています。抽選方法は抽選日の日経平均の終値をもとに当選番号を算出するという抽選方法まで公表しており、公平感が非常に強く初心者の方でも忖度なくIPOが当たる可能性があります。

そんな楽天証券がIPOに注力し始めたのは2017年頃からです。それまではそれほど幹事証券にもならなかったのですが、2023年では65銘柄の受付をするレベルまで成長しました。今後もIPO当選には外せない証券会社として追う必要があり2023年の状況をまとめておきたいと思います。

楽天証券のIPOを大分析!2017年からIPO注力で注目の楽天証券の実際の状況は?

上記ページでも長年の調査結果のまとめを随時更新しています。

2023年の楽天証券のIPOでのトピック

2023年で楽天証券のIPOトピックは2つになるでしょう。

  • 楽天銀行の上場で大活躍!なんと当選枚数は51,171枚もあった!
  • 年途中から申込み上限数が1単位→複数単元可能に!

これまで楽天証券はIPOに注力してきましたが、ここにきて楽天グループの上場にて大活躍しており、その勢いからか複数単元申込み出来るようにして楽天証券資金力がある方が当選確率が少し上がるような方向性が進んでいます。

まずは楽天グループの上場だった楽天銀行のIPOを再度振り返っておきましょう。

楽天銀行(5838)のIPO新規上場情報

楽天証券は東証プライム上場というプライムパワーもあり、初値は結局 1,856円(公募比: +456円/+32.6%)となりました。想定価格から仮条件が大きく引き下げられるなど、少し初値に不安もある不透明感のある上場でしたのでミドルリスク・ミドルリターン的なIPOとなっていました。そのため、リスクを取って攻めた方が大きく儲かった銘柄になります。

特に多くのIPOゲットに活躍したのが楽天証券でした。ほぼ副幹事並の割当数があり、申込可能数も上限100万株となっていました。結果としては約6倍程度の当選確率で10枚申し込めば1枚ぐらいは貰える全プレレベルの状況でした。

なお実際の割当状況もすでに出ており抽選に51,171枚配分されており、配分人数は11,804人です。計算式では申込件数は307,026件となっていますが、1人が複数単元申し込めていたので、やはり複数申し込み(10枚ぐらい)で1枚ゲットできるレベルだったと言えるでしょう。

配分割合の分布を見ると100単位以上貰っている人が68人、500枚以上が11人と凄いことになっています。500枚以上貰った方はいきなり2000万以上儲かったことになります。当然、上場前の状況を考えると損する可能性もあったのでベット出来たところが素晴らしいですが、楽天証券でIPOで一撃2000万以上のチャンスがあったというのは素晴らしいことですね。

私も楽天証券で今までIPOでお世話になったのがほとんど大型IPOになります。公平な抽選なので枚数が多い場合にチャンスがあったという見方ができます。

しかし、2023年の後半に状況が変わります。

8月30日上場のインバウンドプラットフォームから申込み上限が、今まではほぼ100株だったものが600~2,000株程度申し込めるように変更となっています。変更によって影響を受けるのは余力資金力の少ない、小口投資家勢です。個人的にはこの変更は非常に残念だなぁと感じますね。楽天証券は是非、小口投資家に優しい証券会社であって欲しいと思っています。SBI証券をライバル視しているのは分かりますが、同じ土俵で戦うのは得策ではないでしょう。

申込み数を複数にするのは明らかに楽天証券への預け資金を増やして欲しいという思惑だと思いますが、楽天証券はIPOの割当枚数がもともと他社よりも多い方ではありません。楽天証券で複数単元申し込みするのと、他の証券会社と分散して申し込むのでは、他の証券会社を狙ったほうが結果が良くなるのでは?と思っています。

上記グラフは2023年の楽天証券でも1件あたりの期待値の状況です。楽天銀行は期待値が7,000円超えを大きくなっていたので、そこは除いていますが、矢印で示した部分(上限複数単元に変更)から期待値が幅が狭まっています。複数申し込みが出来るようになったので当然の結果になりますが、今までは1銘柄で申込み期待値が500~1,000円あたりのものがあったのに、複数申込可能になったことで楽天証券の申込み妙味が下がっているのが見て取れます。

複数単元申込みする銘柄や人気のない銘柄はパスするなど、少しメリハリを付けた申込み体制に変更することが必要になっていると感じますね。個人的にはウケが悪いと楽天証券が察知して上限100株に戻して欲しいですが、下手に証券会社側に期待しても仕方ないので、結果を見て取れる対策をするのがベストでしょう。

楽天グループといえば、楽天カードや楽天証券のIPOで資金調達するのでは?という観測が根強いですので、その時には再び楽天証券が大活躍する可能性があります。結局大型のイベントIPOはなんやかんやでうまく終わることが多いですので、楽天銀行でうまく行かなかった人もしっかり準備しておいて次は稼ぎたいですね!

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