「それFIREって言うけどさ、ぶっちゃけ生活保護の方がマシじゃね?」

どこかのFIREブログでお勧めされていた、羽田圭介著 <PR>「Phantom(2017)」を読んでみました。

工場勤務の元地下アイドルのコスプレイヤー兼個人投資家の女性が、彼氏が熱を上げている信者ビジネス(ないしは今風な新興宗教)から彼氏を救い出そうとする話でした。

なお、Phantomは幻や幻影を表す英語だそうです。

 

ほとんど印象に残らない内容でしたが、ちょっとクスッとしたのは、

 

「貧乏くさい。

そう感じた華美だったが、3人それぞれの金融資産が時価総額にして一億円を超えていると聞いて、驚いた。一億円分以上の金融資産を手にしても、タイヤメーカーブランドの靴を履くのか。そして優待券を消化しきるために自由を奪われているようにしか見えない彼らの姿が、最近目にしたなにかに似ていると思った・・(中略)・・生活保護受給者特集で見たのだ・・(中略)・・華美は驚愕とした。

ブランド品も買わず友達付き合いも制限し、分身のような配当システムを作った先に待っているのは、生活保護受給者たちと同等レベルの配当生活だというのか。」

 

という文章でした。

FIRE界隈では、FIREと言ってはいるものの中身を見ると確かに生活保護のほうがマシなんじゃないかと思えるほどの質素倹約生活をしているケースを度々目にします。

また、投資とは「今の消費の先送り」という側面があるので、取り憑かれてしまうとそれなりの資産があっても好んで貧乏生活を選ぶ人が少なくない割合でいるように思えます。

 

「お金や投資や宗教なんて所詮は”Phantom”だからそんなのバカらしい!」と思うかどうかは完全に個人の価値観次第ですが、事実関係としては投資やお金だけが”Phantom”な訳ではなく、社会そのものが実はある種の共同幻想に過ぎず、その”Phantom”があたかも存在するかのよう振る舞うという大きな歪みを維持するために小さな歪みが多数存在し、その一つがお金や投資という”Phantom”なんじゃないかなぁ・・という気がします。

 

学校ゴッコ、家族ゴッコ、会社ゴッコにFIREゴッコ。この維持にやたらと好都合なお金ゴッコに投資ゴッコ。所詮紙だと言えば確かに紙だし、価値があると言えばそんな気もする。

 

ま、つまりは使い切れないほどのお金があると好きな夢が沢山見れてイイね。それだけっ! 🤑

 

 

松本大洋著「鉄コン筋クリート」

コメント

  1. ふなむし より:

    ブログではたまに極端な節約FIREの人を見かけますね。
    ただ、そういう人達は比較的資産が少なく、若くて体力があるパターンが多い気がします。
    羽田氏は桐谷さんあたりのイメージをモデルにして書いたのだと思いますが、実際の億り人は貧乏くさくてもそこまでカツカツの生活はしていないんじゃないですかね?

    そう言えば貧乏くさい逸話が多いビル・ゲイツは、莫大な財産をつぎ込んでウイルスや難病の撲滅を夢見ていますが、コロナの時に「奴はワクチンにマイクロチップを埋め込んでいる」というPhantomを信じる人達の批判に遭いました。
    使い切れないほどのお金がありすぎるのも、意外にやっかいかもしれません。

    • Tochi より:

      こんばんは!

      >そこまでカツカツの生活はしていないんじゃないですかね?
      かも知れませんね。せっかくお金持ちの象徴、億り人になった方には是非夢を見せていただきたいものです。
      まぁ、ギリギリ富裕層レベルではそれも難しいのかも知れませんが、10億もあれば配当生活でもかなりの贅沢が出来そうですしね。いいなぁー、お金持ち・・。

      >「奴はワクチンにマイクロチップを埋め込んでいる」というPhantom
      現在の技術レベルでは到底実現不可能でしょうが、何だか面白そうなアイデアですね(笑)

      陰謀論と言えば、人類削減計画なるものもたまに見かけますが、一体どこまでが本当なのでしょうかね・・。
      (10億欲しい!)